タイ旅行で多くの人が訪れる観光地、ワットポーやワットプラケオに描かれている壁画の物語『ラーマキエン』を知りたい!ラーマキエンについてのストーリー以外の情報は?タイの伝統舞踊で演じられるラーマキエンはどんな感じなの?
こんな疑問に答えます♪
※ラーマキエンシリーズを読むのが初めての方はこちらのまとめ記事からご覧ください。
ラーマキエンシリーズまとめ記事
【ラーマキエン】知ってるとタイ人と仲良くなれる物語【まとめ】
全17記事にわたって詳細に「ラーマキエン」についてまとめてあります。
ラーマキエンについて知りたい方は必見です!
記事の内容
タイの『ラーマキエン』にまつわるトリビアをまとめています。
以前の記事でタイの『ラーマキエン』について、ストーリーをお伝えしました。
今回はそんな『ラーマキエン』にまつわるトリビアをご紹介したいと思います。
自己紹介
この記事を書いている私は、タイ旅行には何度も行っており、長い時には1ヶ月近く滞在することもあります。
タイにはトータル2~3年は滞在しており、タイ旅行での不安や疑問を良く相談されます。
そんな私も元々はタイ旅行初心者で、ワットポーやワットプラケオで見かける壁画の意味が解りませんでした。
とは言え、何度もタイ旅行を繰り返していれば、タイの寺院で頻繁に見かける壁画に描かれた何とも面白い『ラーマキエン』と言う物語ついて知ることができました。
また実際にタイ人と仲良くなるための、きっかけとしても『ラーマキエン』を話題にすることもあります。
【ラーマキエン】知ってるとタイ人と仲良くなれる物語【トリビア編】
タイ旅行での観光で多くの人がいくであろうタイ・バンコクの寺院。
ワットプラケオ、ワットポー、ワットアルンがタイの3大寺院として有名ですが、そこにはある壁画が描かれています。
この壁画に描かれているものは、タイでは知らない人がいないくらい有名な物語が題材になっています。
(もちろん、すべての壁画と言うわけではありません。)
その壁画の題材とはタイで昔から親しまれている古典文学が
『ラーマキエン』
と言う物語です。
このラーマキエンと言う物語は、テレビや映画がない時代から、タイでは影絵芝居やタイ古典舞踊として何度も公演され、今でもタイでは広く親しまれています。
メモ
『ラーマキエン』のお話はタイでは小さい頃から両親や祖父母から聞かされ、お寺の朝の読経後に僧侶の講話の中で語られたりします。
また小学校に入ると道徳の本をはじめとする、さまざまな本で繰り返し習い、テレビなどでドラマとして放映されたり、アニメ化されたりもしています。
漫画や小説にもなり、タイではありとあらゆるところで、この『ラーマキエン』の物語に触れることができます。
ラーマキエンはタイ社会に深く根付いている昔話です。
【ラーマキエン)の物語がタイで形作られた経緯
タイで超有名な物語『ラーマキエン』は、もともとは古代インド・バラモン教の大叙事詩『ラーマーヤナ』と言う物語が元になっています。
スコータイ王朝のラムカーヘン大王が仏教を国の宗教と定めた頃に、その周辺国から仏教説話としてラーマーヤナが伝わり、タイでは口伝として人々の間に広まっていきました。
その後、時代を経て徐々に物語の内容は少しづつ変わっていきましたが、タイ・トンブリー王朝時代(1767~1782)、タークシン大王の手によって、バラバラだったお話を集め、加筆修正をおこないながら、今の原型に近い基本形として戯曲にされました。
さらにそれを引き継ぐ形で、チャクリー王朝時代(ラッタナーコーシン王朝 1782~現在まで続く)のラーマ1世により現在の完成形が出来上がりました。
その後、ラーマ2世の時代、もともとバーリ語で書かれていた『ラーマキエン』をタイ舞踏芸術「コーン」を上演するための戯曲として、タイ文字に編纂し直し、分かりやすい物語として作り直されました。
それが今の『ラーマキエン』です。
【ラーマキエン】子供向けにアニメ化されたラーマキエン
タイで「ラーマキエン」は子供向けにアニメ化されています。
ラーマキエンの制作会社
アニメ「ラーマキエン」の制作会社はタイのヴィティタアニメーションと言う会社です。
VITHITA Animation(วิธิตา แอนิเมชั่น)
公式サイト:https://vithita.com/charactercontent/en/ramakian/
アニメ「ラーマキエン」の放送局
アニメ『ラーマキエン』が放送されていたチャンネルはバンコクの「チャンネル7」という放送局です。
チャンネル7はタイで最初の地上波チャンネルでバンコク放送テレビ協会が運営しています。
チャンネル7(ช่อง 7)
公式サイト:https://www.ch7.com/
アニメ「ラーマキエン」の動画
実際のアニメ『ラーマキエン』がこちらです。
お子様向けの可愛らしいアニメーションですね。
【ラーマキエン】タイ伝統舞踊『コーン』『ラコーン』で演じられるラーマキエン
ラーマキエンはタイの伝統舞踊『コーン』『ラコーン』やその他、ラバム(集団舞踊)、ラム(一人舞踊)、フォーン(タイ北部舞踊)などで演じられます。
タイ伝統舞踊はどれも同じと思われがちですが、実は種類によって、少しおもむきが違います。
この中で主な舞踊は『コーン』と『ラコーン』です。
『コーン』とは?
タイ伝統舞踊『コーン』とは、タイの伝統舞踏の中でも最高峰のものとされ、きらびやかな衣装と仮面をかぶって演じられる仮面舞踏劇です。
演じる演目は「ラーマキエン」を題材にしています。
かつては宮廷内でのみ演じられ、大きな戦争におもむく際にだけ、演じられていました。
コーンは元々「クラビー・クラボーン」と言う闘技として生まれましたが、それがそれがタイ国王陛下の庇護のもと、舞台演劇として発展していきました。
役者は基本的に仮面をかぶり、語りと歌・音楽で物語が進行していきます。
合間に力強い足踏みがあったりなど、歌舞伎のような表現もあったりします。
『ラコーン』とは?
基本的にコーンと同じようにきらびやかな衣装や仮面を付けて演じられますが、こちらは主に音楽によって物語が進行します。
そしてコーンとは違い、主に大衆演劇として発展しました。
古くから大衆の間で演じられており、手足の繊細な動作で動きや感情が表現されています。
タイ伝統舞踊『コーン』『ラコーン』の動画
いくつかタイ伝統舞踊の動画ありましたので、掲載しておきます。
どんな感じなのか興味があればご覧ください・
【ラーマキエン】元ネタのインド『ラーマーヤナ』とタイ『ラーマキエン』の違い
基本的なストーリーはほとんど変わりませんが、登場キャラクターの名前やストーリーが一部、違っていたりします。
登場キャラの名前が違う
例えば、「ラーマキエン」のトッサカンは、「ラーマーヤナ」の方ではラーヴァナとなっています。
トッサカンの弟ピペークもラーマーヤナではヴィビーシャナとなっております。
ただラーマ王子やシーダ姫、ハヌマーンなどの主要なキャラクターは名前もそのまま同じなんですよね。
なぜ違うのかについては、正直、良くわかりませんが、おそらく当時の人にとって発音がしやすい、あるいは馴染みやすい語句をつけたのかなぁと言う気がします。
「ラーヴァナ」とか「ヴィビーシャナ」とかちょっと発音しづらく、あまりタイっぽい名前ではない気がします。(^_^;)
ストーリーが微妙に違う
「ラーマーヤナ」と「ラーマキエン」のストーリーは大筋は同じです。
ですが、大きく違うところがいくつかあります。
元となった「ラーマーヤナ」の方は、トッサカンとラーマ王子が生まれる前の経緯については、描かれていません。
ラーマーヤナでは、いきなりラーマ王子とシーダ姫が生まれ変わるところからスタートします。
一方「ラーマキエン」の方では、シヴァ神に仕えるノントゥックが天人たちに髪を抜かれてまるハゲにされて、そのことでシヴァ神に頼み込んでダイヤモンドフィンガーをもらい、天人たちに復讐する。
その後、女性に化けたヴィシュヌ神に倒されてしまうというくだりが描かれています。
この辺の生まれ変わる前のお話はラーマーヤナの方にはありません。
トッサカン(ノントゥック)とラーマ王子(ヴィシュヌ神)の前世での因縁がすっぽり抜けている感じですね。
どうやらラーマキエン編纂時に、あとから付け足したようです。
さらに最後の方のお話ですが・・・
「ラーマキエン」の方では、ラーマ王子の嘘にシーダ姫が怒ってしまい、竜王の国ナーガへと引きこもってしまいますが、その後、ラーマ王子が森で鬼を退治するなど、必死に善行を積んだご褒美に、シヴァ神がシーダ姫との仲を取りなしてくれて、2度目の結婚式を挙げてハッピーエンドとなります。
しかし本家「ラーマーヤナ」の方では、そんなに甘くありません。
シーダ姫は最後には、大地の裂け目から「冥界」に落ちて死んでしまいます。
ラーマ王子はシーダ姫の死をなげき悲しみ、ふさぎ込みます。
そして、その後生涯、誰とも結婚することなく、シーダ姫を思い続けたまま死んでしまうと言う悲しい結末で終わります。
・『ラーマキエン』ではハッピーエンド。
・『ラーマーヤナ』ではバッドエンド。
かなり大きな違いです。
過ちを犯せば、それは必ず、自分に返ってくるという「カルマ」「業」「因果応報」と言うようなことをラーマーヤナでは表現しているのではないかと思います。
【ラーマキエン】知ってるとタイ人と仲良くなれる物語【トリビア編】まとめ
いかがでしたでしょうか?
ラーマキエンのトリビアをいろいろ集めて見ました。
記事の内容をまとめると・・・
・タイ人は大人から子供まで『ラーマキエン』のお話を知らない人はいない。
・ラーマキエンは可愛いアニメにもなっている。
・ラーマキエンは主にタイ古典舞踊の『コーン』や『ラコーン』で演じられている。
・ラーマキエンが現在の形になったのは、チャクリー王朝時代のラーマ1世の頃。
・元になったお話、ラーマーヤナとラーマキエンは、基本的なストーリーは同じだけど、大きな違いもある。
こんな感じです。
お楽しみいただけたようなら幸いです。
それではあなたのタイ旅行が良い旅になることをお祈りしています♪
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