タイ旅行で多くの人が訪れる観光地、ワットポーやワットプラケオに描かれている壁画ってどういう意味があるのだろう?何やらストーリー仕立てな感じだけど、一体、どんな話なの?そういえば、タイの古典舞踊演劇でも壁画に描かれていたような、お面をかぶっていた気がするけど、何か関係があるのかな?
こんな疑問に答えます♪
※ラーマキエンシリーズを読むのが初めての方はこちらのまとめ記事からご覧ください。
ラーマキエンシリーズまとめ記事
【ラーマキエン】知ってるとタイ人と仲良くなれる物語【まとめ】
全17記事にわたって詳細に「ラーマキエン」についてまとめてあります。
ラーマキエンについて知りたい方は必見です!
ラーマキエンシリーズを通しての記事の内容
・タイ旅行前に知っておきたい壁画の物語『ラーマキエン』のストーリー
ラーマキエンのお話はタイ人なら知っているのが常識と言うくらい、タイで有名な物語です。
またタイ旅行ではバンコクのワットポーやワットプラケオを観光で訪れる人が多いと思います。
そんなワットポーやワットプラケオなど、タイの寺院で頻繁に見かけることになる壁画の物語。
それが今回ご紹介する『ラーマキエン』です。
観光で寺院を訪れるほとんどのタイ旅行者は、壁画に描かれているものが何なのかすら解らない人が多いと思います。
ですが、実はこの壁画に描かれているラーマキエンと言う物語は、タイ人なら知らぬ人はいないと言うほど、超有名なお話なのです。
まさに・・・
『ラーマキエンを知らずしてタイは語れない!』
と言っても過言ではないくらいタイでは有名なお話です。
壁画のお話『ラーマキエン』を知れば、ただ漠然と観光地を見て廻るよりも、より深くタイ旅行を楽しむことできます。
自己紹介
この記事を書いている私は、タイ旅行には何度も行っており、長い時には1ヶ月近く滞在することもあります。
タイにはトータル2~3年は滞在しており、タイ旅行での不安や疑問を良く相談されます。
そんな私も元々はタイ旅行初心者で、ワットポーやワットプラケオで見かける壁画の意味が解りませんでした。
とは言え、何度もタイ旅行を繰り返していれば、タイの寺院で頻繁に見かける壁画に描かれた何とも面白い『ラーマキエン』と言う物語ついて知ることができました。
また実際にタイ人と仲良くなるための、きっかけとしても『ラーマキエン』を話題にすることもあります。
日本人なら誰でも知ってる昔話を知ってくれてるってだけで、何となく親近感を感じますよね?
それと同じようにタイ人なら誰でも知ってる物語をあなたが知っていると言うだけで、何となく初対面のタイ人からも親近感を持たれてしまうわけです。
所要時間
この記事は約10分ほどで読めます。
記事を読み終わった頃には、タイの寺院で頻繁に見かける壁画の物語『ラーマキエン』についてわかるようになります。
ラーマキエンはストーリーも、とても面白いものなのでぜひ読んで見てくださいね!
【ラーマキエン】知ってるだけでタイ人と仲良くなれる物語
脚色なしで普通にラーマキエンのお話を掲載していきます。
どうぞお楽しみください♪
ラーマキエン1:まるハゲにされちゃったノントゥック!
むか~しむかし、あるところにクライラートという山があり、そこにはシヴァ神と言う神様が住んでいました。
その神様の住む山のふもとに、シヴァ神を訪ねてきた他の天人たちの足を洗う役目の鬼、ノントゥックがおりました。
ノントゥックは来る日も来る日も休まずに、訪ねてきた天人たちの足を洗い続けました。
天人たちはみんないたずら好きで、足を洗ってもらいながらノントゥックの髪の毛を引っ張って抜いてしまいました。
おかげで、ノントゥックの頭はツルッツルのまるハゲにされてしまいました。
ラーマキエン2:ダイヤモンドフィンガーを手に入れたノントゥック!
このことにとても悔しい思いをしたノントゥックはシヴァ神へ天人たちに仕返しをしたいと涙を流しながら訴えました。
「どうか私の人差し指を魔法の力を持つダイアモンドフィンガーにしてください!」
さすがに可哀想だと思ったシヴァ神はノントゥックの頼みを聞いてダイヤモンドフィンガーを与えることにしました。
このダイアモンドフィンガーはとっても凄い能力を秘めており、なんと指差したものを何でも破壊することができました。
ラーマキエン3:天人たちに復讐しちゃうノントゥック!
シヴァ神からダイアモンドフィンガーをもらったノントゥク・・・
これでおとなしく、足洗いの仕事に戻るわけもなく、自分をからかってまるハゲにした天人たちの復讐に向かいました。
そして天人たちにダイヤモンドフィンガーで指差して、次々に抹殺していきました。
「これはヤバいぞ?!」
と驚いたシヴァ神は4本の腕を持つヴィシュヌ神を呼んで、ノントゥクをこらしめなさいと命令しました。
ラーマキエン4:美しい女性と楽しく踊るよノントゥック!
シヴァ神から命令を受けたヴィシュヌ神は美しい女性の姿に化けて、ノントゥックを油断させる作戦にでました。
ヴィシュヌ神はノントゥクの前に現れて、女性らしい優雅なしぐさで踊りを踊りました。
するとノントゥックはあっという間に一目惚れしてしまいました。
もうメロメロ状態です。
そんなノントゥクは美しい女性に誘われるまま、一緒に踊り始めました。
楽しげに踊っていたノントゥックでしたが、なんと踊りの最中に誤ってダイアモンドフィンガーで自分の足を指差してしまいました。
ダイヤモンドフィンガーは何でも破壊する能力を秘めています。
それはノントゥック自身も例外ではなく、たちまち足は粉々になってしまいました。
さあ大変!ノントゥクは地面に転がり痛がりました。
それを見たヴィシュヌ神は美しい女性の姿から元の姿に戻って、ノントゥクを押さえつけました!
ラーマキエン5:ヴィシュヌ神にこらしめられちゃうノントゥック!
息も絶え絶えのノントゥックは・・・?
「正々堂々と戦わずに女の姿に化けて俺をだますなんて卑怯者め!」
「強大な力を持つヴィシュヌ神ともあろう者が卑怯にも女の姿で騙すとは!」
「そんな卑怯な手を使ったのはこのダイヤモンドで出来た凄い指が恐かったからだろ!」
「俺は2本しか腕がないのだから4本も腕のあるお前に勝てないに決まってる!」
「俺も4本腕があったら負けはしなかったぞ!」
と悪態をつきました。
それを聞いたヴィシュヌ神は怒りました。そして・・・
「それならば、次に生まれ変わって来るお前には10の頭と20本の腕を授けようじゃないか!」
「私は2本しか腕のない普通の人間に生まれ変わって、もう1度お前を打ち負かしてやる!」
「覚えておけ!」
と言ってノントゥクにとどめを刺しました。
こうしてノントゥクは生まれ変わることになりました。
ノントゥックが生まれ変わったのは鬼たちが住む国ランカー国・・・
その国の王様トッサカンとして生まれ変わりました。
そしてヴィシュヌ神はアユタヤー国のラーマ王子として生まれ変わることになりました。
※ちなみにトッサカンは下の絵のような感じになります。
実際に10の頭と20本の腕を持って生まれてしまうと、実生活に支障が出てしまそうですね。
ラーマキエン6:鬼に対抗出来る子供を授かるたいトサロート王!
ラーマ王子が生まれ変わることになるアユタヤー国のトサロート王には子供がおりませんでした。
トサロート王はなんとか鬼に対抗出来る力を持った子供を授かりたいと思っていました。
そこでアユタヤー国にいる4人の賢者が集められ、王に鬼に対抗できる子供が授かるにはどうすれば良いかと尋ねました。
すると4人の賢者は・・・
「われら4人の賢者の力では鬼の力を持った子供を授けるのは難しいでしょう。」
「しかしロムパッタン国にいるクライコート仙人ならば、可能なはずです。」
と言いました。
そこでトサロート王はロムパッタン国のクライコート仙人を訪ねて、鬼に対抗出来る子供を授けてくれるようにお願いしました。
最初はクライコート仙人も簡単な話ではないと思いましたが・・・
そのような力を持つとすればヴィシュヌ神の生まれ変わりしかないと思い、シヴァ神にお願いしにいくことにしました。
そして・・・
「シヴァ神様!」
「今回、この地におもむきましたのは、他でもございません。」
「世界は今、鬼たちのために最悪の闇に包まれております。」
「修行者たちは鬼退治におわれ、祈りの時間も持てないほどです。」
「鬼たちの暴走は目にあまるほど酷いものです。」
「この危機を救えるのは、トサロート王だけにございますが、あいにく王には鬼を退治できるだけの力を持った子がおりません。」
「そこでなんとかヴィシュヌ神さまに地上にきていただくわけにはいきませんでしょうか?」
とお願いしました。
その願いを聞き届けたシヴァ神はすぐにヴィシュヌ神を地上に遣わす手はずを整えました。
ラーマキエン7:子供を授かるための儀式をおこなう!
アユタヤー国に戻って来たトサロート王はヴィシュヌ神を地上に権化させるための儀式を執りおこないました。
その儀式の内容とは・・・
神聖なお米で作られた4つのお菓子を神殿に捧げ、その後、そのお菓子をトサロート王の3人のお妃に食べさせると言うものでした。
しかし!その儀式の最中、ちょうどお菓子が神殿に捧げられたところで1匹のカラス飛んで来ました!
このカラスは、トッサカンの手下でカーカナースーと言う悪魔でした。
実はトッサカンの妃、モントーが鬼の国ランカーまでただよってきた美味しそうなお菓子の香りをかいでしまい、どうしても食べたくなってしまったのでした。
そしてモントーは夫であるトッサカンにお菓子を食べたいとおねだりしました。
トッサカンはその願いを聞き入れ、家来の悪魔にカラスの姿に化けて、あの香りの元を突き止めるように命じました。
そしてカラスの姿になった家来は、香りの元が神殿に捧げられたお菓子であることを突き止め奪おうとしたのでした。
混乱に乗じ、カラスに化けた悪魔はお菓子を半分盗むことに成功して飛び去りました。
残りのお菓子は3つでしたが、儀式の後、トサロート王は3人の后にお菓子を与えました。
ラーマキエン8:ヴィシュヌ神の生まれ変わり!ラーマ王子誕生!
儀式でお菓子を食べた第一王妃はまもなくラーマ王子を出産しました。
この王子こそ、ヴィシュヌ神の生まれ変わりでした。
さらに第二王妃からはプロット王子が生まれました。
プロット王子はヴィシュヌ神が持つ魔法の武器の一つ、円盤の生まれ変わりでした。
第三王妃からはラクシュマナ王子とサトル王子と言う双子が生まれました。
ラクシュマナ王子はヴィシュヌ神が持つ武器、ほら貝の生まれ変わりでした。
サトル王子はヴィシュヌ神の武器、こん棒の生まれ変わりでした。
そしてなんということでしょう。
トッサカンの后、モントーも家来が持ち帰ったお団子を食べたことで身ごもってしまいました。
この子供がのちにラーマ王子の妃となるシーダ姫でした。
シーダ姫はヴィシュヌ神の后、ラクシュミーの生まれ変わりでした。
シーダ姫は生まれてすぐ「鬼の一族を滅ぼしてしまえ!」と3回叫びました。
しかし両親であるトッサカンもモントーもそれには気づきませんでした。
が!しかし!トッサカンの弟のピペークと宮廷内の占い師たちがこの言葉を聞き、シーダ姫が鬼の一族を破滅させると予言し恐れました。
そこでシーダ姫を鉢に入れて、海に流してしまいました。
ラーマキエン9:海に流されたシーダ姫!いろいろあってミティラ国の姫になる!
海に流されてしまったシーダ姫でしたが、なんと海の神々に護られ、無事に岸へ流れ着くことができました。
そしてシーダ姫が入れられた鉢は、ミティラ国の王であり、その時は修行者であったチャノックに発見されました。
チャノックはしばらく姫の面倒を見ました。
ですがチャノックはあいにく修行中の身だったので、神々に姫の世話を託して、大きなバンヤンの樹の下にそっと埋めました。
その後、長年の修行を終えてミティラ国に帰ることになったチャノックは、バンヤンの木の下に埋めたシーダを娘として連れて帰ることにしました。
子供のいなかったチャノックと王妃はシーダをミティラ国の姫として大切に育てました。
姫となったシーダはこの上なく美しい娘に成長しました。
ラーマキエン10:ラーマ王子とシーダ姫!結婚!
ある時、チャノックは、ミティラ国に伝わる大変重いプラナーライ神の弓を取り出して、この弓を持ち上げることのできた若者をシーダ姫の花婿に迎えると宣言し、周囲の国々に使者を送りお触れをだしました。
それを聞きつけた我こそは!と思う若者は各地から集まってきまいた。
その若者たちの中に、ラーマ王子もいました。
ラーマ王子とシーダ姫は弓を持ち上げる前から目と目があい、ひと目で恋に落ちてしまいました。
そしていよいよ重い弓を持ち上げる挑戦が始まりましたが、誰も弓を持ち上げることができませんでした。
そんな中、なんとラーマ王子はその弓を軽々と持ち上げてみせたのでした。
こうしてラーマ王子とシーダ姫はめでたく結ばれ、盛大な結婚式を挙げました。
ラーマキエン11:お家騒動勃発!せむし女の侍女の陰謀!
時は流れ、いつしかトサロート王はアユタヤー国の王座を息子のラーマ王子に譲ろうと考えました。
しかし、まだ子供だったラーマ王子にからかわれたことを恨みに思っていた、第二王妃カイヤケシーに仕えるせむし女の侍女がよからぬ助言をしてカイヤケシーをそそのかしました。
せむし女の侍女は・・・
「ラーマ王子よりカイヤケシーの息子プロット王子の方が、王様にふさわしい!」
とたき付けました。
そしてプロット王子を王にするには、ラーマ王子を14年間森に修行にいかせるのが良いと進言し、カイヤケシーもその助言通りにトサロート王にお願いしました。
以前にカイヤケシー王妃の頼みは必ずきくと約束していたトサロート王は断ることができませんでした。
結局、ラーマ王子はシーダ姫と弟のラック王子とともに森に修行にいきました。
ですがその後、ラーマ王子を失った悲しみのあまりトサロート王は亡くなってしまいました。
3人の王妃、そしてプロット王子とサトル王子は森の中の3人を追いかけ、アユタヤー国の都に戻るよう説得しました。
しかしラーマ王子は父トサロート王の言葉に従うことに決め、シーダ姫とラック王子を連れてさらに森の奥へと入って行きました
ラーマキエン12:妹の婿、チウハを殺害してしまったトッサカン!
ある日、森へ狩りに出かけることにしたトッサカンは、妹の夫である義理の弟チウハに、留守の間、ランカー国が外敵に襲われないよう見張っておけと命じました。
真面目に見張るのが面倒だったチウハは魔法を使って自分の舌を大きく広げて、国を覆い隠しました。
これなら外敵に襲われることはないと思ったのでしょう。
そして、あろうことかそのまま居眠りしてしまいました。
その数時間後、トッサカンは狩りから帰って来ましたが、そこで自分の国が消えていることに驚きました。
そうトッサカンのランカー国はチウハの舌に隠されており、見えなくなっていたのです。
これに慌てたトッサカンはチウハの舌に向かって、円盤を投げつけました。
トッサカンの円盤攻撃は強烈です。
舌に円盤の直撃を受けたチウハは死んでしまいました。
トッサカンの妹であり、チウハの妻だったサンマナッカーは、嘆き悲しみました。
そして嘆き悲しみながら、深い森の中をさまよううちに偶然、森で修行していたラーマ王子を見かけ、ひと目で恋をしてしまいました。
夫が死んでしまったばかりだと言うのに、ずいぶんとまあ尻軽です。
ラーマキエン13:シーダ姫!トッサカンにさらわれる!
サンマナッカーはどうにかラーマ王子を誘惑しようと、シーダ姫に化けて騙そうとしました。
危うく騙されかけたラーマ王子でしたが結局、サンマナッカーは鬼だとバレてしまい、ラーマ王子の弟ラック王子にこらしめられ、鼻と耳を切り落とされてしまいました。
そのままサンマナッカーは国に逃げ帰り、兄のトッサカンに仇を討ってほしいと頼みました。
頼みを聞いて欲しかったサンマナッカーは兄トッサカンがその気になるように、わざとシーダ姫の美しさを褒めました。
ついにその気になったトッサカンは手下に「金色の鹿に化けさせてラーマ王子とラック王子をおびき出せ!」と命じました。
トッサカンの手下が化けているだけとも知らずに、ラーマ王子とラック王子はまんまとおびき出されてしまいました。
その隙にトッサカンはシーダ姫をさらい、ランカー国に連れ帰ってしまいました。
ラーマキエン14:白い猿!ハヌマーンが味方になる!
サユーディという鳥から、シーダ姫がトッサカンに誘拐されたと聞かされたラーマ王子とラック王子はランカー国へ向かうことにしました。
その途中、白い猿のハヌマーンと出会います。
ハヌマーンはラーマ王子の家来になりたいと申し出ました。
そして叔父のスクリープをラーマ王子たちに引き合わせ、猿の軍団全員でシーダ姫を取り戻す助けをすることになりました。
少しお話は変わって、ハヌマーンの叔父スクリープにまつわるお話をしておきます。
あるところにトラピという黒い牛がいました。
トラピの父親はトラパといって元はヴィシュヌ神の家来でした。
しかし悪いことをした罰に白い牛に姿を変えられてしまい、さらに自分の息子によって命を失うように運命づけられてしまいました。
トラピは山奥の洞窟で天使たちに育てられ大きく強くなりました。
そしてある日とうとう父親であるトラパに戦いを挑み殺してしまいました。
父親トラパを殺して自信満々のトラピはヴィシュヌ神をも倒そうとします。
それに怒ったヴィシュヌ神は、自分と戦いたければ、まずは猿の国キートキンへ行って、猿の王様パーリーと戦って力を示してみよと言いました。
トラピに戦いを挑まれたパーリーは、山奥の洞窟の中で7日間の激闘の末、トラピを倒しました。
その戦いの際、パーリーは弟のスクリープにこういいました。
「戦いが終わって洞窟の中から流れ出る血が濃い色ならトラピの血だから、自分が勝ったと言うことだ。」
「しかし流れてきたのが薄い血だったら、それは自分の血だ。」
「だからその時はトラピが外に出られないように洞窟の入り口をふさぐげ!」
と言いました。
結局、戦いはパーリーが勝ちましたが、悪いことに戦いが終わった日は雨が降っていました。
その為、洞窟から流れてきた血は薄まってしまい、薄い血として洞窟から流れ出ていきました。
それを見たスクリープはパーリがトラピに殺されてしまったと勘違いし、言いつけ通り、洞窟の入り口をふさいでしまいました。
そのまま閉じ込められてしまったパーリーはスクリープが裏切り、自分の代わりに王の座につこうとしていると、これまた勘違いしてしまいました。
その結果、怒り狂ったパーリーはスクリープを国から追放してしまいました。
ラーマキエンにはこんなお話も書かれています。
ちなみにパーリーはインドラ神の子で、スクリープは太陽神の子とされています。
※この辺のいきさつは長くなってしまうので、割愛します。(^_^;)
ラーマキエン15:トッサカンの弟ピペーク!ラーマ王子の家来になる!
力強い味方を得たラーマ王子は、ランカー国付近へ到着後、まずはハヌマーンたち3人の猿をランカー国に送り込みました。
猿の軍隊もそれに続きます。
ランカー国に忍び込んだハヌマーンはトッサカンに言い寄られ、はずかしめを受けたことを悲観して、首をつろうとしていたシーダ姫を発見し、止めに入りました。
そして、すぐに助けに来るから待っているようにと伝え、ラーマ王子から預かった指輪を渡して勇気づけました。
その頃、ランカー国ではトッサカンが悪い夢にうなされていました。
トッサカンの弟で予言者のピペークは兄に「シーダ姫をすぐにラーマ王子に返した方が良い」と助言しますが、トッサカンは聞き入れませんでした。
逆にその助言に怒り狂い、なんと弟ピペークを国から追放してしまいました。
実はピペークはシヴァ神から命を受け、スパイとしてトッサカンの元に送り込まれたウェースナーンと言う男の神の生まれ変わりでした。
そのためピペークは正直者で誠実な性格となり、その後、ラーマ王子の家来となりました。
ラーマキエン15:ラーマ王子とトッサカン!激突する!
ラーマ王子たちはランカー国へと攻め入り、トッサカンの親族や友人たちと激戦を繰り広げました。
ラーマ王子とトッサカンはお互いにあらゆる魔法を使って激しい戦いをしますがなかなか決着がつきません。
それもそのはずトッサカンは自分の心臓を魔法の箱にしまって隠していたため、不死身だったのです。
それに気づいたハヌマーンは機転をきかせて魔法の箱を見つけ出しました。
そしてラーマ王子がトッサカンを弓で射ると同時に、ハヌマーンが箱から心臓を取り出して握り潰しました。
ここでついにラーマ王子はトッサカンを倒しました。
激闘の末に勝利をおさめたラーマ王子は、ピペークをトッサカンの代わりにランカー国の新しい王様にしました。
そしてシーダ姫とラック王子、ハヌマーンたち猿の軍隊を連れて14年間留守にしていたアユタヤー国へ勝利の凱旋をしました。
ラーマキエン16:ランカー国に暗雲が!パイナスリウォンのクーデター計画!
ランカー国の新しい国王となったピペークはその後、トッサカンの妻だったモントーを后にしました。
さらにピペークは娘ベンヤカーイを白い猿、ハヌマーンの元に嫁がせていました。
ピペークとハヌマーンは義理の親子の関係となり、絆を深めていました。
その後、月日が経ち、ピペークとモントーの間にはパイナスリウォンと名付けた男の子が生まれました。
それと同じ時期にベンヤカーイとハヌマーンとの間にもアスラパットと名付けた男の子が誕生しました。
ですが、実はこのパイナスリウォンはピペークの息子ではなくトッサカンの子供・・・忘れ形見だったのです。
ここからピペーク新国王の下、平和が保たれていたランカー国に暗雲が立ちこめます。
パイナスリウォンが誕生した時、ピペークは実の子と信じて大喜びします。
当然、パイナスリウォンもピペークを実の父親だと信じて育ちます。
しかし、ここでパイナスリウォンに余計な事実を聞かせる家来が現れました。
その家来は古くからランカー国に仕えており、パイナスリウォンの実の父はピペークではなく、トッサカンであると打ち明けました。
そして同時にパイナスリウォンの本当の父親であるトッサカンは、ラーマ王子やピペークに殺されたのだと伝えました。
それを聞いたパイナスリウォンは実の父親トッサカンの敵討ちを誓い、ランカー国をわが物にしようと考えました。
そこでパイナスリウォンは父トッサカンの古くからの友人である、マリワン国を治めるチャクラワット王に協力を求めました。
ラーマキエン17:捕らわれてしまったピペーク王!アユタヤー国に火急のしらせ!
首尾よくマリワン国、チャクラワット王の協力を取り付けたパイナスリウォンは、チャクラワット王と共にランカー国に攻め込みピペークを捕らえてしまいました。
そしてみずからの名を、パイナスリウォンから実の父親トッサカンにちなみ『トッサピン』と改名し、自分がランカー国の新しい王になることにしました。
このランカー国の異変を聞いたアスラパットは父ハヌマーンと共に、このことを知らせるためアユタヤー国へ急ぎ向かいました。
アユタヤー国へ到着したハヌマーンとアスラパットは、すぐにラーマ王子へ、ピペークが捕らわれたこと、そしてランカー国の異変を伝えました。
この知らせを受けたラーマ王子は、弟のプロット王子とサトル王子に、トッサピンとチャクラワット王討伐とピペーク救出を指示しました。
指示を受けたプロット王子とサトル王子はアユタヤー国の軍勢を率いて、まずはランカー国へ向かいました。
もちろんそこには、ハヌマーンたち猿の軍勢も加わっています。
ラーマキエン18:ピペーク救出!ランカー国平定後、マリワン国へ進軍!
ランカー国までの道のりには、大きな海が立ちはだかるなど、ゆくてをはばむ障害もありましたが、猿の軍勢の兵士ニラパットが巨大化してシッポで大きな橋を作りランカー国へ軍勢を渡らせたりと活躍し、無事に進軍できました。
ランカー国へ到着したプロット王子たちのアユタヤー国の軍勢は、すぐに攻め込み、捕らわれていたピペークの救出とトッサピンの捕縛に成功しました。
捕縛されたトッサピンはランカー国の町中を引き回しの上、斬首によって処刑されました。
ランカー国での決着がつくと、プロット王子たちの軍勢は、そのままの勢いでチャクラワット王討伐のため、マリワン国へ進軍しました。
しかしマリワン国の周りには、国を取り囲むように燃えさかる火の砦や、毒ヘビが群がる、毒ヘビの砦がありました。
それらの障害はハヌマーンたち猿の軍勢の活躍により次々に攻め落とし、ついにマリワン国へ到着しました。
ラーマキエン19:ピペーク救出!ランカー国平定!そしてマリワン国へ進軍しチャクラワット王も打ち倒す!
ちょどその頃、チャクラワット王は悪夢にうなされていました。
そしてマリワン国へプロット王子たちアユタヤーの軍勢が攻めてきたことを知ったチャクラワット王は自分の息子たちを繰り出して戦いました。
息子たちは山に姿を変えて王子たちの軍を取り囲んだり、毒の槍や魔法の武器で攻撃しました。
さらに友人たちまでも総動員して、プロット王子たちアユタヤー国の軍勢やハヌマーンたち猿の軍勢を打ち破ろうとしましたが、倒すことはできませんでした。
ついに追い詰められたマリワン国のチャクラワット王は、最後にはプロット王子の放った矢を受けて、倒されました。
チャクラワット王は倒される直前にプロット王子とサトル王子がそれぞれヴィシュヌ神の武器である『円盤』と『こん棒』の生まれ変わりであることを知り、命乞いをしましたが結局、倒されてしまいました。
ピペーク救出とチャクラワット王討伐を成功させたプロット王子たちの軍勢は意気揚々と誇らしげにアユタヤー国への帰路につきました。
帰る途中には大きな谷が軍勢のゆくてをはばんでいましたが、今度はハヌマーンが巨大化して、シッポで橋を作りプロット王子たちや猿の軍勢を渡らせ、無事にアユタヤー国への凱旋をはたしました。
ラーマキエン20:ラーマ王子・・・シーダ姫を疑い問い詰める・・・
しばらくの内、平和であったアユタヤー国のラーマ王子でしたが、ある時、事件が起こります。
ランカー国に長年幽閉されていたシーダ姫に対して、人々はある疑念を持ちました。
「シーダー姫は何年もランカー国におり、その間、トッサカンからあついもてなしを受けていた!」
「その上、多くの財宝をトッサカンにねだっていた!強欲な女かも知れない!」
こんな疑念が噂され、ラーマ王子自身も民衆からこれらの非難の声が大きくなることを恐れました。
シーダ姫にかぎって、そんなことはあろうはずがありませんでしたが、なんとラーマ王子はそのことでシーダ姫を激しく問い詰めました。
実はラーマ王子も、もしかしたらシーダ姫はトッサカンを愛していたのではと言う疑念が湧き上がっていたのでした。
シーダ姫を愛するがゆえ、ラーマ王子の嫉妬心が生みだしてしまった幻惑の疑念だったのかも知れません。
そんなラーマ王子の疑いに傷つき、悲しみ、苦しんだシーダ姫は自分が潔白であることを証明するために、神々を証人として、招いた儀式をおこなうことにしました。
その儀式とは燃えさかる炎の中を歩くと言う、火渡りの儀式でした。
ラーマキエン21:シーダ姫!身の潔白を証明する!
さっそく儀式を執りおこなうため、まずラーマ王子は神々を呼び寄せるため、特別で神聖な矢をいました。
するとその矢に誘われ、神々が集まり始めました。
そして火の神アグニ(仏教では火天という)が宿った火矢を薪に放ち、紅蓮に燃えさかる炎を作りました。
そこでシーダ姫は集まった神々に祈りました。
「もしも私の心にほんのわずかでも、夫であるラーマ王子を裏切る気持ちがあるならば、この身を焼き尽くし、休むことなく苦しみが続く阿鼻の地獄へ落として下さい。しかし逆に夫を裏切ることもなく、そんな気持ちもなかったなら、どうか灼熱の炎からお守りください。」
こんな祈りを捧げながら、シーダ姫は紅蓮に燃えさかる炎の中を歩き始めました。
こうして火渡りの儀式がおこなわれましたが、シーダ姫はわずかな熱さも感じることはありませんでした。
それはおろか、シーダ姫が一歩一歩進むたびに、まるで足を守るように美しい蓮の花が地面から生えてきました。
そしてついにシーダ姫は燃えさかる炎に焼かれることなく、渡りきったのでした。
このことであらぬ疑いであったと、ラーマ王子も納得しました。
ラーマキエン22:嫉妬心再燃!悲しみが憎しみに変わったラーマ王子の暴走!
ラーマ王子からのあらぬ疑いを晴らしたシーダ姫は、その後、ラーマ王子の子も身ごもり幸せな毎日を送っていました。
そんなある日、アユタヤーの宮殿で水浴びをしていたシーダ姫にアダンと言う名の召使いが話しかけました。
「シーダ姫さま?鬼の国ランカーの王様トッサカンは、どんな顔をしていたのですか?教えてください!」
アダンは何度も何度もしつこく、こんなお願いをしました。
最初は断っていたシーダ姫でしたが、あまりのしつこさについに折れ、仕方なくトッサカンの似顔絵を描いて見せました。
するとそこへ森に出かけていたラーマ王子が帰ってきてました。
慌てたシーダ姫はラーマ王子に見つからないようにトッサカンの似顔絵を隠しました。
しかしそれを見ていたラーマ王子はすぐにシーダ姫が隠したトッサカンの似顔絵を奪い取りました。
そして・・・
「シーダ姫!おまえはなんとふしだらな女だ!やっぱりトッサカンを想っていたのだな!おまえのようなふしだら女は出て行け!」
とシーダ姫を罵り、責めました。
ただの勘違いだと言うのに、ラーマ王子はシーダ姫を激しく愛するがゆえの悲しみから、われを忘れて怒り狂いました。
そんなラーマ王子の悲しみは、ついに憎しみに変わり、暴走し始めました。
なんとラーマ王子は弟のラック王子にシーダ姫を森に連れて行って殺し、その心臓を持ってこいと命令しました。
そんな中、1人このことにほくそ笑んでいる者がいました。
それはシーダ姫にトッサカンの似顔絵を描かせた召使いのアダンでした。
実はこの召使いのアダン・・・
正体は鬼であり、しかもトッサカンの姪でもありました。
当然、アダンは一族を滅ぼしたラーマ王子、ひいてはシーダ姫にも恨みを持っていました。
その恨みを晴らすために、美しい女になりすまし、ラーマ王子の宮殿に召使いとして入り込んでいたのでした。
そうとは知らないラーマ王子は、まんまとアダンの策略にはまってしまったと言うわけです。
そしてラーマ王子の命令を受けたラック王子は、仕方なくシーダ姫を連れて森へ入りました。
しかしどうしてもシーダ姫を殺すことができませんでした。
そこで森に倒れ、息絶えていた鹿の心臓を取り出して持ち帰り、これがシーダ姫の心臓だと偽り、ラーマ王子に差し出しました。
ラーマキエン23:ラーマ王子・・・わが子と知らずに自分の子供を捕まえる
ことの一部始終を天界から見ていたインドラ神は、シーダ姫を助けるために水牛の姿になり、森で修行をしていたワッチャマラックの粗末な住まいに導きました。
シーダ姫はそこでワッチャマラックにかくまわれ、その後、可愛い男の子を産みました。
そしてワッチャマラックはその子をモンクットと名付けました。
さらにモンクットがさびしくないようにと、遊び相手として、魔法を使ってロップと名付けた男の子をもう1人作りました。
モンクットとロップは、兄弟として共に仲良く元気な男の子に成長しました。
そんなモンクットとロップは10歳になったある日、森の木を的にして魔法の弓矢で遊んでいましたが・・・
ふとした拍子に矢が木に当たり、とても大きな音が鳴り響きました。
その音はアユタヤー国のラーマ王子の耳にも届き、ラーマ王子はこんなことを考えました。
「誰がこんな大きな音を出したのだ!音を出した者を捕まえてこらしめてやろう!」
そしてラーマ王子は大きな音を出した者がモンクットとロップであることを突き止めました。
そして、ふたりがわが子とも知らずに格闘します。
その結果、ロップは逃げることができましたが、モンクットの方はラーマ王子に捕まってしまい、アユタヤー国へ連行されてしまいました。
ラーマ王子は一体、どうしちゃったのでしょうか。
たかが大きな音くらいで、子供相手におとなげないラーマ王子なのでした。
ラーマキエン24:モンクットとロップが自分の子供たちであることに気づいたラーマ王子!
その後、何とか逃げ出したロップは天人たちに助けを求め、シーダ姫が持つ魔法の指輪を使い、アユタヤー国に捕らわれているモンクットの救出に成功しました。
モンクットが逃げ出したことを知ったラーマ王子は怒り狂いました。
そしてふたりのあとを追いかけて戦いを挑みました。
さまざまな武器を使った激しい戦いでしたが、なぜか両者まったく傷つくことがありませんでした。
このことを不思議に思ったラーマ王子は「もしやこのふたり?!モンクットとロップは私の息子では?!」と思い、ついにふたりがわが子であることに気づきました。
ここでラーマ王子は戦いをやめ、シーダ姫のことや、今までふたりどうしていたのかなど、これまでのいきさつを聞きました。
それをラーマ王子はようやく目をさまし、自分のおこないを反省しました。
そしてシーダ姫に「自分が悪かった。反省している。だからアユタヤー国へ戻って来てくれ。」とお願いしました。
しかしシーダ姫はラーマ王子の願いを聞き入れず、アユタヤー国へは戻りませんでした。
ラーマキエン25:小ずるい策を巡らして、ドツボにハマったラーマ王子!
どうしてもシーダ姫に戻って来てもらいたいラーマ王子は、小ずるい手を使うことにしました。
なんとハヌマーンに自分が死んだとシーダ姫に知らせるよう命令したのでした。
ラーマ王子が死んでしまったという知らせを聞いたシーダ姫は、とても驚き、すぐにラーマ王子の元へ最後のお別れをするために向かいました。
しかしアユタヤー国へ着いたシーダ姫は実はラーマ王子は生きていることを知ってしまいました。
そしてラーマ王子が自分をアユタヤー国へ戻すためについた嘘だとわかってしまったのです。
こんなすぐにバレる嘘をついたラーマ王子に腹を立てたシーダ姫は、地底にある竜王の国ナーガへと姿を隠してしまいました。
こんな小ずるい策を巡らしたラーマ王子・・・見事にドツボにハマってしまいました。
自業自得です。
ラーマキエン26:自分のおこないを反省して、シーダ姫とよりを戻せたラーマ王子!
シーダ姫がナーガ国へ姿を隠してしまったことにラーマ王子は、とてもなげき悲しみました。
そんな悲しみに暮れるラーマ王子を見かねたランカー国の王ピペークは得意の予言を駆使して、ある忠告をしました。
「ラーマ王子・・・あなたにはどうやら厄がついているようです。なので1年間森で修行をして厄を落としなさい。」
この忠告を素直に受け入れたラーマ王子は、弟ラック王子とハヌマーンを引き連れて、森へ修行に向かいました。
するとその森には、まだまだたくさんの鬼たちが潜んでおり、ラーマ王子に襲いかかって来ました。
鬼たちにして見れば、ラーマ王子は今まで散々、同じ鬼の一族の仲間を倒された恨みがあります。
当然、仲間たちの恨みを晴らそうと戦いを挑んできたわけです。
幾度となく、森で鬼たちとの戦いを繰り返したラーマ王子でしたが、ハヌマーンたち猿の軍勢の助けもあり、ことごとく鬼たちを返り討ちしました。
そしてついに1年が経ちました。
この1年の様子を天界からすべて見ていたシヴァ神は、ラーマ王子とシーダ姫の仲を取り持ち、2度目の結婚式を挙げました。
いろいろこじらせてドツボにハマってしまったラーマ王子でしたが、ようやくシーダ姫と仲直りして、よりを戻すことができました。
ラーマキエン27:平和な世界にまたまた暗雲が?!カイヤケート国!悪者に乗っ取られる!
シーダ姫とよりを戻し、ようやく平和な日々を送れるかに見えたラーマ王子でしたが、またまた事件発生!
暗雲が立ちこめます。
ある日、コンタラヌートと言う悪い鬼が息子のヴィルンパットと共に家来を引き連れて森へ出かけました。
その森の中で苦しい修行に励む修行者たちに出会いました。
そこでコンタラヌートとヴィルンパットは修行者たちの邪魔をしてやろうと面白半分に暴れまわり、これにおびえた修行者たち逃げ出してしまいました。
そしてこれだけで満足しなかったコンタラヌートとヴィルンパットは逃げていく修行者たちのあとをつけ、カイヤケートという国にたどり着きました。
このカイヤケートと言う国・・・実はプロット王子の母親であり、アユタヤー国の先代国王、トサロート王の第2王妃であったカイヤケート王妃の母方の祖母が治めている国でした。
カイヤケート国にたどり着いたコンタラヌートとヴィルンパットは、いきなり襲撃を開始して、あっという間カイヤケート国を乗っ取ってしまいました。
カイヤケート国を治めていた王様は、襲撃者から逃れ、修行者たちが住まいへ身を隠しました。
そして生き残ったカイヤケート国の兵隊たちは、アユタヤー国のラーマ王子の元をこのことを知らせに行きました。
ラーマキエン28:最後の決戦に見事勝利!こうして世界は平和になりました!
カイヤケート国での異変を聞いたラーマ王子はすぐに弟のプロット王子とサトル王子、そして自分の息子であるモンクットとロップ、さらにハヌマーンやスクリープたち猿の軍勢も含めた大軍勢をカイヤケート国へ派遣しました。
カイヤケート国に到着したプロット王子たちアユタヤー国の軍勢は、すぐに街を完全に包囲しました。
プロット王子たちアユタヤー国の勢力は、総攻撃に移る前に、まずはチャンプワラートという兵士を支社としてコンタラヌートの元へ送りました。
そこでカイヤケート国を素直に明け渡すように迫りましたが、コンタラヌートを初めとした鬼たちは言うことを聞きませんでした。
そして一気に全面対決に突入しました。
ハヌマーンたち猿の軍勢が次々に鬼の軍勢を打ち倒し、プロット王子たちの軍勢も負けじと活躍し、戦場はまさに乱戦状態に突入しました。
そんな混乱状態の戦場でラーマ王子の息子ロップがヴィルンパットの捕まえ、自身が放った矢でつむじ風を起こさせて、戦場に飛び交う矢をすべて集め、そのまま捕まえているヴィルンパット目がけて一斉に飛ばしました。
これにはさすがのヴィルンパットもひとたまりもなく、倒されてしまいました。
それを見ていたコンタラヌートは、息子の仇とばかりに戦闘に参加しましたが、ラーマ王子のもう1人の息子、モンクットが放った魔法の矢を受けて、こちらも討ち取られてしまいました。
戦いに勝利したプロット王子たちアユタヤー国の軍勢は、隠れていたカイヤケート国の王様を呼び戻して、ふたたび王座に就け、元通り国を治めさせました。
そしてアユタヤー国へ勝利の凱旋をはたしました。
アユタヤー国では、すでに勝利の知らせが届いており、国中が沸き返っていました。
ラーマ王子も見事を勝利をおさめた2人の弟たちや息子たち、そしてハヌマーンたち猿の軍勢を歓喜して迎えました。
こうして数々の戦いに勝利したラーマ王子たちは、世界に平和をもたらすことができ、その後、末永く幸せに暮らしました。
おしまい♪
【ラーマキエン】知ってるだけでタイ人と仲良くなれる物語:まとめ
いかがでしたでしょうか?
少々、長いかったように思われるかも知れませんが、これでもかなり端折って書いております。(^_^;)
実際の「ラーマキエン」は登場人物だけでも311人にのぼり、タイ古典舞踊コーンで上演すると700時間以上掛かると言われるほど壮大なストーリーです。
なのでざっくりとしたストーリーだけ掲載しましたが、メインストーリーについては押さえているので、ラーマキエンのお話はわかっていただけたかと思います。
この物語はタイ人なら誰でも知ってるお話です。
もしもタイ人とコミュニケーションを取る機会に何を話して良いかわからないなら、会話のきっかけにラーマキエンの話題を振って見ても良いと思います。
ではでは~!
あなたのタイ旅行が良いものになることをお祈りしています!
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