オカルト・怖い話

『個人タクシー』怖い話シリーズ112

とある個人タクシーにまつわる怖ろしい話・・・

『個人タクシー』

ある日、友人のAが競馬で当てて豪遊したそうだ・・・

その帰りにタクシーに乗ったがその時、運転手から・・・

「お客さんは良い犬を飼ってたでしょ」と言われたと言う・・・

今回は怖ろしい怪談話『個人タクシー』をお伝えします。

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

タクシーの運転手って、割と心霊現象に遭遇するみたいな話・・・

良く聞きますよね・・・

多分、作り話も入ってるのかなぁとも思うけど・・・

でも、中には共通した場所で似たような心霊体験をしたとか・・・

そう言うのを聞くと、もしかしたら成仏出来ない霊がホントに彷徨ってるのかなぁとか思ったり・・・

なんか、タクシー乗るのが怖くなって来ちゃいました(汗)

それでは怖い怖い怪談話・・・

『個人タクシー』

どうぞお楽しみください・・・

※このお話は3分ほどで読むことができます。

『個人タクシー』怖い話シリーズ112

後輩のA君から聞いた話・・・

三年前のある日、A君は競馬で大勝して新宿で豪遊していたそうです。

数軒の店をハシゴした頃には終電もなくなりましたが、懐も暖かいのでタクシーで帰ることにしました。

大通り沿いを歩いていると一台の個人タクシーが目に入り、乗り込んだそうです。

運転手は初老の落ち着いた感じの人で、タクシーの運転手にしては物静かでした。

車中では、お互い無言のまま数分が経ち、A君がウトウトし始めたと同時に運転手が・・・

 

「お客さんは良い犬を飼ってたでしょ」

 

と声を掛けてきた。

 

A「は?……あ、はい。飼ってましたね。二年前に死んだけど…」

 

と言うと・・・

 

「それだ それだ」

A「なんで分かるの…?どういうことですか?」と聞くと・・・

 

運転手はバックミラーを指で突っついて・・・

 

「これですよ。これ」と笑った。

 

その運転手の話では、10年くらい前に不思議な外人から貰ったという。

10年前のある日、運転手は横浜の辺りを流していると、その外人は乗ってきたのだという。

 

「胡散臭い感じでね。髭なんかチョロッと伸ばして」

(外人は東京駅までタダで行ってくれないかと運転手に頼んだらしい。)

 

「冗談じゃない!!と、怒ったら、シュンとしてね。なんだか可哀想になったから乗せてやったんですよ。」

 

道中、外人は片言の日本語で自分はマジシャンだと言い、「あなたタイヘン親切」を繰り返した。

 

「そいつが降りがけに、お礼がしたいってゴニョゴニョ呪文を言ってから、このバックミラーを触ったんです」

 

その直後から、変なことになったという。

 

「女の人を乗せたんですけど、バックミラーを見ると一緒の子供が座らずに立ったままなんですよ。

仕方ないから『坊や良い子だから、お座りしてね』って注意したんですよ。

すると女の人が『は?私一人ですけど…』と言うんです・・・

振り返ると女の人一人。子供なんかどこにもいやしないんです…」

「そういう体験が何度かあって、やっとその人に憑いている霊っていうか、そういうのが見えるんだなって気がつきましたよ。」

 

それ以来、相手が良い気持ちになる場合だけ話すことにしているというそうです。

 

「中には銀座のホステスで首にロープを巻いた男を連れて歩いているのがいますよ。あんなのはゾーっとするね…。美人でも会話が巧いだけに恐ろしい感じがして。」

 

A「一番ヤバかったのは?」

 

「一番ですか…?そうですね……某テレビ局のディレクターが乗ってきたとき、首のない人間や削げちゃったようなのが四、五人一緒になってくっついて来たんだ。そこでビックリして、お客さんなにやったんですかって聞いちゃったよ・・・」

 

そう運転手が聞くと、酔いの回ったディレクターは上機嫌で「心霊番組でバカ当たりしたんだよ」と笑っていたという。

 

「でも、言ったそばから頭の潰れたのがディレクターの口に手を突っ込んでんだ。ゲホゲホと物凄い咳をしてたよ。もう…死んじまったんじゃないかな、ありゃ」

 

さらに、こんな体験もしたと言う・・・

 

「箱根のほうまで行った帰り道、山道の坂の上で手を挙げているのがいて、ヤバいなって思いながらも飛び出して来たんで乗せちゃったの。だいたい夜中だったし、そんなとこフラフラしてるのマトモじゃないでしょ。」

 

男は自分はトラックの運転手で、故障して困っていたと告げたらしい。

 

「まるっきり嘘だってのがわかりました、勘でね。でも話は合わせてましたよ。なにしろ町まで二人っきりなんですから。」

 

A「ミラーは見なかったんですか?」

 

「見たくなかったんですよ。何かあって顔に出るとヤバいじゃないですか。」

 

それでも、不意に男が静かになったときに見てしまったんだって。

するとそこには…血塗れの老人が映っていたらしい…。

 

「直感で、あぁ…こいつが殺ったんだなと思いました。それに血を流してるのは、なんとなく同業っぽかったんですよ。」

 

運転手の予想通り、男はあちこち行き先を変え始めたんだと。

 

「こっちは早くに町に出ようと必死でしたよ。そして、町に出た途端、交番の前に横付けして『降りて下さい!』って怒鳴ったら、何も言わずに降りて逃げて行きましたよ。』

 

翌日の新聞でタクシー強盗があったということを確認したんだと。

 

「犯人はすぐに逮捕されましたが、強盗にあった運転手は亡くなっていたそうです…。」

 

それからしばらくして、A君の家の前に到着し、降りようとすると・・・

 

「お客さんは、その犬が守ってくれてるから大丈夫ですよ。」

 

と運転手は笑ったそうです。

今でも、その個人タクシーは新宿近辺をよく流しているそうです・・・

『個人タクシー』怖い話シリーズ112

怖異 恐子
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ゆきキャベツ

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