オカルト・怖い話

『一つの村が消えた話をする(後編)』怖い話シリーズ128

2021年3月23日

とある村にまつわる怖ろしい話・・・

『一つの村が消えた話をする(後編)』

俺はある山奥の村で生まれ育った・・・

人口は百人程度、村に学校は無かった・・・

村人の殆どは中年の大人や高齢の方だが・・・

今回は怖ろしい怪談話『一つの村が消えた話をする(後編)』をお伝えします。

↓↓↓※前編はこちら※↓↓↓

https://yukilifeblog.com/one_village_disappeared_story_1/

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

前回の続きです・・・

恐るべき村の伝承・・・

その内容とは如何なるものなのか・・・?!

それでは怖い怖い怪談話・・・

『一つの村が消えた話をする(後編)』

どうぞお楽しみください・・・

※このお話は前編10分、後編12分、前・後編合わせて22分ほどで読むことができます。

『一つの村が消えた話をする(後編)』怖い話シリーズ128

村の伝承によれば、数百年前に村と町の道が土石流によって数kmに渡り寸断され、村の農作物が豪雨による小川の増水、水系の崩壊等の自然災害によって駄目になり、村が飢饉に陥った時がある。

飢餓状態となった村人が作物を探す中、ある日、一人の村の男性が、村の女性を村奥の森の中の小屋に監禁した。

男性は飢餓の極限状態により、監禁している女性を暴行し、奴隷のような状態にした。

簡単に言えば、女を使って遊んだとの事。

 

女性は飢餓による栄養失調や体力の減少で餓死してしまった。

肉に飢えていた男性は、その女性を解体し、食べた。

男性はその時に得た食人の快楽を求め、次々と村の女性を殺し、食べだしたと言う。

中には、生きたまま解体され、食人された女性もいた。

女性ばかりを狙うのは、彼が根本的に男性であるからだそうだ。

 

この男性の情報は村に広がったが、村人の男達はこの男性を捕える所か、同じように村人の女性を殺し、共食いしだしたのだ。

殺し合い、食べていく内に人は狂って行き、最初は殺される側だった村人の女性が村人の男性を殺した。

そして、それを見た他の女性も人を殺し、食べだすようになった。

数百人いた村人は数十人から数人へと減り、最後の村人の女性を食べた男は、森の中の小屋で自殺したと言う。

 

この自殺した男こそが鬼小屋の男性障者であり、最初に暴行され、殺され、食べられた女性が女性障者であると伝承の伝説には存在する。

俺とBに憑いていたのは、この障者の両方の力であるそうで、Bには男性障者の力が、俺には女性障者の力が憑いていたそうだ。

 

村人が消滅したこの村には、後に現在の神主一族の先祖「初代神主」の一家が引っ越し、村復興の始めに村の守り神となる神社を立てた。

家や道に残された村人の骨を村奥の池に水葬した後、村奥の池に集まった、村人の怨念を封印し、名前を障芽池と名付け、池自体を名前で縛った。

後世にも自分の力が村を守るようにと、自分の力を封印した石と、その石を祭る祠を村奥の森の中に立てた。

強い怨念が留まり続ける、村奥の森の小屋の二階の扉を封印し、小屋自体を人の認識外へと封印した。

初代神主の力では認識外への封印が限界で、それが招かれれば行けると言う隙を作る結果となってしまった。

初代神主は子孫達に、この小屋を鬼小屋と語り、中に住む者を障者と呼んでいたそうだ。

 

初代神主は、この村で死んだ村人を弔う為・・・

この村に生きる村人を村の鬼から守る為・・・

この村で生まれた鬼を外界に出さない為・・・

八月十五日に神社で行う村全体での祭り、即ち辿静祭、鬼無し踊り、浄縁神楽を残した。

村の伝承を残す用意をした過程で生まれた、幾つかの綻びを繕う為に、初代神主は最低限の三つの禁を残した。

初代神主は村に引っ越してきた者達、即ち今の村人の先祖達に、永久に村を守れるようにと、この村の伝承を受け継がせた。

 

長きに渡り、村の伝承は受け継がれてきたが、ある年、村の伝承を知ったある一族が森の祠へ行き、初代神主の力を得ようとする事態が起きた。

何故か森の祠にある石を壊せば、自分達にも力が宿ると思っていたらしい。

一族の企みを知った村人が神主一族に報告した事により、一族の行いは未然に防がれることとなった。

力を得ようとした一族は、村八分の後に村を追放された後、人間関係で失敗し多額の借金を背負い、遂には一族で投身自殺した。

 

この事から、森の祠や、村の伝承の大半を村人に残さない方針に変わり、この世代から神主一族にのみ管理が任せられ、森の祠の周囲にも封印がなされる事となった。

この当時のB一族は、この方針を無視し、一族内で森の祠の存在を伝えていたらしく、Bは両親の会話からその存在を知る事となった。

森の祠になされた封印は、八月十四日に弱まる為、その封印の組み直しを当代神主は、毎年一人で行う。

神主によれば、組み直された封印は、来年の八月十四日まで弱まる事はないが、強い悪意の絡んだ何らかの手段で、この封印を破壊し、初代神主の力を得る事が可能だそうだ。

 

神主「この事態を機に、我々一族が隠していた秘密は村人に知られてしまった事になる」

神主「B一族は本来ならば村を追放されるべきだが、今は構ってられん」

神主一族「Aの囚われた小屋へ行く用意が出来たぞ」

神主「分かった。俺君、B君、私は一族全員でAを救いに行く・・・」

「我々にも、初代神主が小屋に施した認識外の封印の解き方は知らされていない。

小屋から呼ばれている君達しか、もう一度小屋に行く事は出来ないのだよ。

正直、娘が今も生きているという保証はどこにもない。既に遅いかもしれないが、協力してくれ」

俺「Aは必ず、この場所に連れ戻して来ます、任せて下さい」

B「禁を犯した自分が言うのもなんですが、これは自分に下された天命だと思っています」

 

神主一族「我々は途中まで君達に付いて行く。Aを見つけたら直ぐにこの清めの水を飲ませ、背中にこのお札を張りなさい。

そして、清めの塩をAの身体全体に掛け、障者が現れたら○○○~と真言を唱えなさい」

神主「真言で障者を数秒止める事が出来ると思うが、止められなかった場合はひたすら走り、我々の下へ来るのだよ。立ち止まって行けない事を忘れずに」

俺とB「はい」

 

俺とBは覚悟を決めた。

 

八月十五日 辿静祭当日 午前一時・・・

俺とB、そして神主と神主一族は、障芽池へと続く獣道の途中にいる。

神主一族の人数は数十人で、頼もしいと思った。

 

俺「この辺りから、二人で行きます」

B「必ず、Aを助けて来ます」

神主一族「頼んだぞ」

神主「教えた事を忘れずにな」

俺とB「はい」

 

俺とBは一本の獣道を進む。

途中から、山の獣の声が聞こえなくなってきた。

 

俺「そろそろか」

B「だな」

 

暗がりを抜けた先には、小屋があった。

俺とBは、無言で道具の最終確認を行った。

 

俺「あれ」

B「どうした?」

俺「いや、鋏なんて入れたっけなって思ってさ」

B「裁断鋏か、何かの役に立つんじゃないか?」

俺「そっか」

 

俺とBは作戦の最終確認をした。

作戦はこうだ・・・

俺とBで小屋に一気に入る。

下の部屋に障者がいた場合、Bが相手する。

その隙に俺が二階へ行き、Aを助ける。

二階に障者がいた場合、障者を足止めし、Aを連れて一階へ降り、BとAを守りながら、神主一族の下へと走り抜ける。

作戦と言うような作戦ではないが、この方法で行くしかないと思った。

 

俺「行くぞ」

B「ああ」

俺とB「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

二人で突進するように、さながらアニメの様に小屋に入った。

下の部屋に障者はいなかったので、下はBに任せ、俺は階段を駆け上がった。

二階の扉を思いっ切り蹴破った。

 

「ドン!!!!」

俺「A!!」

 

俺はAの名前を叫び、中に居るであろう障者を威嚇した。

部屋の中には・・・・・・・

 

全裸の状態で手を天井から吊るされた紐で縛られ、足を紐で床に固定されたAがいた。

が、中に障者はいなかった。

 

A「俺君」

俺「A!!!」

 

俺はAが縛られている事よりも、単純に生きていた事に喜び、Aを縛っている紐を鞄に入っていた裁断鋏で切り、清めの水を口に含ませて、飲ませ、背中にそのままお札を張り付けた。

そして、塩を身体に振りかけた。

 

俺はAを抱え、二階の階段を降りる直前・・・

 

A「俺君!、後ろ!!」

 

俺は後ろを向いた。

 

男性障者「OmyいえkrOOOOOOsrあcjんじcjぞscjじおn」

 

後ろには、首を吊ったままこちらを見つめる黒い何か、いや、男性障者が俺には聞き取る事の出来ない言葉を発している。

 

俺「○○○~!!!」

 

俺は神主から教わっていた真言を唱えた。

だが、男性障者はこっちに近づいてくる。

 

俺「何だよ!!!!!」

 

俺はAを抱えたまま、後ろに下がって行く。

 

A「△△△~!!!」

 

その時、Aが俺の知らない真言を唱えた。

 

男性障者「んこvそkvmぢんヴぉzm???????」

 

男性障者の身体が痙攣しているように見える、

俺はAを抱えたまま、階段を駆け下りた。

そして俺達は小屋を抜け出した。

 

B「おい俺!!!速く行くぞ!!!」

俺「ああ!」

 

俺達は獣道を走っている、

 

女性障者「あああああああああああああああ・・ああああああああああああ」

俺「来たか」

B「○○○~!!!」

女性障者「あああああ・・・・・ああ・・あ・・・・・・・・・・」

 

Bが教わった真言を唱えると、女性障者は姿を消した。

女性の方には効くようだ。

 

B「効いたみたいだな」

?「ポーン・・・・・・・・・・ポーン」

 

聞いた覚えのある音、嫌な予感がする。

 

女性障者「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

突然、女性障者が雄たけびをあげながらBの足元から出現し、Bの脚を掴んだ。

 

俺「B!!!!!!!」

B「俺!!!!!先に行け!!」

 

Bはそのまま、そのまま女性障者に引きずられて行った。

Bを後で必ず助けると誓って、俺はひたすら走った。

神主一族の下へ着いた。

 

神主「よく戻ってきた!!、B君は?」

俺「捕まった、俺とAを逃がすために」

神主「そうか」

神主一族「Aをすぐに本殿へ!!」

 

俺と神主、神主一族は直ぐに村に戻った。

そこで、ある事を村人から神主へ伝えられる。

 

村人「B一族が先程、この村を出て行った」

神主「!?」

神主一族「禁を破るとはな」

 

村人の話を纏めると・・・

神主一族が村から障芽池に行っている間に、その隙を付いてB一族全員が車に乗り、村の出入り口の封鎖を強行突破したそうだ。

今日は辿静祭当日であり、村から出ることは第二の禁を破った事になる。

B一族が村を出て行った理由は、恐らくは村八分による追放を恐れた為だと考えられた。

俺は、自分の息子で跡取りでもある子孫の帰りもまたずに、この村を保身の為に逃げて行ったB一族が、正直、罰でも当たればいいのにっと思っていた。

 

八月十五日 辿静祭当日 午前六時・・・

神社の本殿へと通されたAは、身体の穢れを消滅させる為の禊を行う用意がされた滝へと向かった。

禊にはAの両親が付き添うらしい。

俺はその間、本殿へともう一度呼ばれ、神主一族の方と話をする事になった。

 

神主一族「単刀直入に言わせて貰うが、B君についてだが、恐らくはもう手遅れだろうと思う。

Aは若い女性と言う点が障者に取っては生かす利点になった為、監禁され、遊ばれる程度で済んだかも知れないが、B君は若い男性だ。

男性障者に取って、男性は邪魔にしかならない。その部分だけで、B君は殺されるだろうからな」

 

俺は助けると誓った時、薄々感じてはいた。

もうBを救う事は出来ないのでは無いかと・・・

俺は分かっていながらも、親友を失った事に涙した。

 

神主一族「彼の魂は、あの小屋に永遠に留まり続けるだろう。彼はあの小屋で【第二の男性障者】となる。

我々に障者はどうする事も出来ない、あの存在は既に輪から外れた存在なんだよ」

神主一族「君がまだ、あの小屋に呼ばれているのならば、もう一度小屋に行けば会えるだろうな。だが、今度は確実に君は殺されるよ?

それに、君が死ねばAは一人になるんだよ?その事を忘れずに・・・」

 

俺は泣きながらも、泣いても済む問題では無いと分かっていた。

神主一族は、俺の聞きたかった事を全て話てくれた。

俺が死ねば、Aは一人になる。

Bには悪いが、俺は死ぬわけにはいかない、そう思った。

この時、自分が非道だと初めて認識した。

 

八月十五日 辿静祭当日 午前十時・・・

Aの禊が終わり、障者によって障られた部分、簡単に言えば身体全体の清めが始まった。

Aと俺は全裸に白装束を纏った状態で、祝詞の途中で何度も冷水を身に浴びる。

Aは途中で涙ぐんでいる所もあったが、三時間の清めを乗り切った。

最後、自分の身体から、何かが消えていくように体全体が軽くなった。

清めを終えた俺は、神主からAの事について教えて貰った。

 

神主「Aや君の穢れ障りは、これで完全に消滅した。Aについてだが、身体の至る所から障りが抜けて行くのを私は見た。

恐らくあの小屋では監禁と同時に、暴行に近い行為を何度もさせられたのだ」

 

当然の事だが、神主の手は怒りに震えていた。

俺に何故、その話をしたのかを神主は語った。

 

神主「何れ君がAの傍に付いて、正しい判断を下す時がくるだろう。Aは君の身を気に掛ける。

今度こそ、君が正しい判断をする事を私に誓ってくれ」

 

俺は神主の予言めいた言葉を聞き、今度こそAを守ると強く誓った・・・

 

八月十五日 辿静祭当日 午前十一時・・・

清めが終わった後、飯を食べ終わった俺とAは、神主一族の屋敷つまりAの家で寛いでいた。

Aが小屋に囚われる直前以来、俺はAと会話をしていない。

俺から話を切り出して見る事にした。

 

俺「あのさ、暇だから花札やろう?」

A「良いよ、こいこいね?」

俺「ああ!」

 

やっとまともな会話が出来た!

この後、花札をやりながら昨日の夜・・・

つまり障芽池の森に入った時から、今日の清めが終わるまでの記憶が全く無かった事や、昼食を食べている時から、幽霊の様な存在が見える様になった事を聞いた。

小屋での記憶が無くとも、Aは心身ともに傷付けられたことには変わりない。

これを生涯の教訓にすると、AにそしてBに誓った。

Aは両親から、Bは家族と共に引っ越したと伝えられていた。

 

八月十五日 辿静祭当日 午後三時・・・

神社の神楽殿の前に、神主によって村人全員に召集が掛けられた。

重要な話だそうだ。

俺とAも神楽殿の前に向かった。

 

神主「突然だが、今年の辿静祭を中止する。ここまで用意をしてくれた皆には感謝するが、昨日から予想外の事が多発している。

鬼小屋絡みの件、B一族の逃亡の件、森の祠の中の霊石が破壊されていた件だ。

森の祠の件についてだが、私は昨日の朝、再封印の為に森の祠に行った。

その時は、森の祠の周囲の封印は破られておらず、霊石も破壊されてはいなかった。

今日の朝、森の祠に異常が無いか確認しに行くと、封印が破られており、祠の石、初代神主の霊石が破壊されていた。

破壊された霊石からは、微塵の霊力も感じ取れなかった事から、霊力を何者かが奪った後、あの霊石を破壊したと考えられる。

初代神主の霊石は、この村のあらゆる封印を支える力であり、封印の維持が不可能になった今、全ての封印は崩れ、封印されている存在が溢れ出し、この村には災厄が訪れる」

 

当然の如く村人は慌て始めた。

森の祠の霊石を破壊した犯人、村人は大声で言わないだけで、B一族の仕業だと気付いていた。

 

神主「今より、この村での全ての禁を廃止する。我々一族は、この村を脱出する事を決断した。今夜にもこの村を出ていく。以上だ」

 

予想外の展開となった。

村に災厄?、俺は軽く混乱した。

昨日から色々な事があった。

だが、それは村全体に影響する事は無いと、心のどこかで思い込んでいた

しかし、思い返せば村に災厄が訪れる原因の全てが、俺の責任。

俺の家族はどうするのか、その事が頭を過った。

 

A「俺君の家族は、私の家族と一緒にホテルに移動するそうだよ」

俺「そうなのか!?」

A「お父さんと俺君のお父さんが話しているのを聞いてね」

俺「そっか」

 

何故か安堵した。

Aと一緒に居られる事からか、それとも村を出るからなのか。

この時の俺は、色々な思いが頭の中を回っていたように思う。

 

八月十五日 午後五時・・・

神主の話から二時間が経った。

あの話を村人が聞いてから、村中は大騒ぎになっていた。

逃げ出す用意をする者、ここに残ると主張する者、揉める者、あちらこちらで見られた。

俺の家族は、Aの家族(神主一族)と共に、俺の家族が運営するホテルへ一時的に移動する事となった。

学校も変わるそうだ。

 

A「村ともお別れだね」

俺「そうだな」

A「この村、どうなっちゃうのかな」

俺「俺にもどうなるかは分からない」

 

神主に俺が直接聞いた話によれば、初代神主が残した、自分の霊力を封じ込めた霊石の力は、本当の所は初代神主が死ぬ直前の年まで効力を発揮したが、死後、直ぐに効力は無くなってしまったらしい。

そこで初代神主の子孫達は、辿静祭に関する禁を作り、その禁を恐れ、守ろうとする村人の念を、何らかの方法で石に集める事で霊石と化し、その霊力を核として村のあらゆる封印や結界を保っていたそうだ。

その霊石が破壊され、霊力が奪われた今、村に施された何百と言う封印や結界が徐々に崩壊しているらしく、全てが完全に崩壊するのは五日後の八月二十日。

完全に崩壊した時、村に留り続けてきた災厄が訪れると。

正直、この伝承のどこが真実なのか、未だに隠されている事があるように思ってならない。

神主は祠の封印が破られた件に関して、自分自身でも疑問があるらしい。

 

その疑問を纏めると・・・

まず祠の封印を破った者は、痕跡からして一人だそうだ。

B一族は祠の場所を知っている事は確かだったし、霊石の破壊されていた周囲には多くの靴後が残っていた・・・

その為、霊石を破壊したのはB一族で間違いない。

だが、祠の周囲に施された封印を解くには、例え祠の場所が分かっていたとして、そこに行ったとしても、「近づいた者の生気を欠く封印」の前では無力になり、どうしても祠に近寄る事は出来ない。

 

代々の神主は、この封印が弱まった所を修復しに行く為、弱まっている封印の前である方法を使う事によって、何とか再封印が可能となる。

霊石が破壊されたのは、神主が再封印をした直後なので、弱まるも何も万全な状態だ。

要約すると、人には祠の封印は破れないが、人外の存在ならば封印を破り、B一族を祠の中へ通す事が出来る。

俺は胸騒ぎを感じていた、何か忘れてはいないかと。

 

八月十五日 午後七時・・・

俺とAの一族を乗せた専用の車両が村を離れた。

同時に、両一族の重要な物や必要な物を乗せた大型車両も村を出た。

 

俺「何か忘れているような気がする、こんな結末になる最初の段階の当たりで、何か気付いていなかったか?」と心の中で呟いた。

A「何か忘れ者?」

俺「嫌、気のせいだったみたい」

 

俺はあまり思いつめないようにした。

そして俺とAは、村を後にした。

俺とAの両一族が村を脱出した所で、大方の本編は終わりです。

ここからは後日談となります。

質問がある方は、遠慮無くどうぞです。

用事があるので、暫く席を外します。

数分~数十分後に戻って来ます。

 

>このスレの村とは関係ないけど、「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」ってのあったじゃん?

ああいう集落って、部外者が知るよしもない謎が潜んでそうだよね。

そういうのが、日本各地で他にもありそう…

>>俺が知っているなかでも、実際に危険な謎がある村は十数村ある。

G県の下の方の旧村とか、知っている人いたりしますかね。

 

>最初から全部見たけど、確かに信じられない話だね・・・

僕はまぁ信じるんだけど、やっぱ言い伝えとかは下手に破らないほうが良いみたいだね・・・

>>信じてくれる人がいるだけで、とてもありがたいです。

田舎には、いろんな謎や危険な言い伝えがあるので、破るのは確かに良くないですね。

後日談語ります。

後日談

後日談 八月十六日 午前八時・・・

俺はホテルでAと花札をしていた。

 

俺「 (´?????`)こいこい!」

A「( ´´?∀´?` ) 」

俺「( ´?` ) こいこい!」

A「( ・?ω・?)」

俺「(?? ⌒ ??????? ⌒ ??) ニゴッ こいこい!」

A「(p>□<q*))俺君!! 」

俺「キタ━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━!!」

俺「五光だ!!」

A「。・゜・(/Д`)・゜・。うわぁぁぁぁん 」

俺「俺の勝ちだね(。?????) wwwww」

A「見てよ!!!」

A「ほら!!四光!!」

俺「(´、ゝ`)ニヤリ 速く出さないAが悪いのさ}

俺「wwwwwwww」

A「( ´Д⊂ヽエーーン 」

 

今日は五光を出せるなんて、何か付いてる!って思いながら、Aと楽しく花札をしていた。

 

神主によれば、昨日村を脱出した人は三十人近くいるらしく、殆どが老人の方だそうで、その殆どが老人ホームに暮らす事になるそうだ。

真夜中に村を出た一家によれば、田圃の畦道に身長百二十cm程度の顔が血に塗れ、手が六本生えた獣が立ち尽くしていたそうだ。

その獣の傍を車が通りかかると、足元には山犬の頭が転がっており、脳髄を引き出して遊んでいたそうで、こちらには見向きもしなかったらしい。

神主によれば、この獣は食人された村の子供達の怨念が形を変えて現れた存在らしく、人を襲わないが、人以外の動物を玩具にするそうだ。

これも村に封印されていた怪の一種らしい。

 

神主「今話したような怪の一種に、現象となって現れる怪そのもの、そしてその怪の元とも言われる「因縁」は、村から放たれている」

神主「所縁、因縁と言った存在は、村と関係した者、あの村を知る者、村の怪そして因縁を知る者に取り憑き、更に因縁を拡大していく」

神主「因縁によって起きた災厄があの村をこれから襲う。何れ村が無人となる時、あの村は因縁の溜まり場、怪の溜まり場となるだろう」

 

俺は村に特別な未練がある分けでは無い、Bとの事も非道ながら断ち切った。

そして何より、自分自身、親族自身に、そしてAの身にまだ何も異変など起きていなかったから、あの村が妖怪とかの吹き溜まりになろうとも、知ったこっちゃ無い。

そう思っていた。

 

最後に村を出てきた他の一族によれば、最終的に村に残った人達は二十人程らしい・・・

老人や中年の大人がほとんど・・・

八月十七日から、村の中で黒い人影を見る者が増えた。

その人影は赤く濁った様な瞳で、奇声を上げながら不規則な動きで追いかけてくる。

それを見た者は、次々と精神を病んでしまったと言う。

 

精神を病んだ数日後には自殺・・・

奇声を上げながら障芽池の森へ走って行ったり、家族に噛みついて、肉を食い千切ろうとする。

異常な行動が見られたそうだ。

それを見かねた人が村を出ようとすると、服を脱いだ大勢の村人が車の上に乗っかってきたらしい。

精神を病んだ人達の中でも数日持ち応えた者は、決まって全裸で村の中を夜中に集団で徘徊し、家の中に人を見つけては奇声を上げて飛び掛かり、人を何処かへ連れ去っていくそうだ。

 

こんな事態になれば、警察も動かざるを得ない。

八月十八日に警察が村へ入った。

しかし、幾ら家の中や森の中を捜しても、生きた村人は誰一人として見つからなかった。

その変わりに、あちらこちらで死体が発見された。

 

自宅の風呂釜の中で茹で上がっている遺体・・・

小川に水死体として浮かんでいる複数の遺体・・・

神社の木で首を吊っている複数の遺体・・・

そして森の中で首を吊っていたBの遺体などなど・・・

多くの遺体が見つかった。

それら全ての遺体の傍には、本人の物と思われる遺書が置いてあり、集団自殺、事故死、病死と言う事で方が付くらしい。

 

唯、村を出て行った人数と、村で死んでいた人数が合わないらしく、未だに発見されていない死体が存在するとされている。

この件に関しては、村の有力者の多くが、事件をなるべく公にしないように手配したそうだ。

俺はBの遺書とされる物を見せて貰い、不自然な点があることに気付いた。

今から書き込むのは、Bの遺書の一部。

 

「八月十四日、午後六時

この遺書が見つかる頃には、俺は死体で見つかっているだろう。

俺は今から障芽池の森へ行く。

未練が無い事は、ここに綴って置く。

ある時は笑い、ある時は怒ってくれた、俺とA、今までありがとう」

 

この遺書が書かれている時間帯は、俺とBが待ち合わせをしていた一時間半前で、俺とAの所にBが遅れてきた頃には、既に自殺していた事になる。

しかし、そう考えると俺とAの所に遅れて来て、鬼小屋に行き、村に戻り、また鬼小屋へ行き、障者に連れ去られていったBは?

と言う事になる。

仮に、俺とAの元へ遅れて来たBは既に死んでおり、それから行動したBが他の何者かだったとしても、俺は彼の事をBだと思う。

 

村に警察が入り、事実上この村の村人が零になってから、数日後、神主一族の一人が自殺した。

Aとは血縁が遠い人ではあったが、良くAの面倒を見てくれた人だ。

 

神主「次は我々か、Aだけでも逃がさなくては」

 

神主によれば、村を離れた村人に憑いて居た因縁が数日経った頃に姿を変え、縁があるものにそれは作用しだしたそうだ。

村に残っていた村人の多くが死んだ今、村を離れていた者に災いを齎す為に、因縁は活動を起こし始めた。

神主一族の一人が自殺して十数日・・・

Aの両親と俺の両親は、両一族の知り合いが経営する施設に俺とAを預けた。

どちらの両親とも最後の別れの言葉は・・・

 

「因縁は自分達で祓え」だった・・・

 

当時はこの言葉の本当の意味を、理解出来なかったと思う。

 

それから数日後、Aの両親、そして俺の両親は交通事故で他界した。

Aと俺の両親が死んだ時刻は、場所は違えど殆ど一緒だった。

 

「ある交差点の交通事故で即死」

 

施設の管理者からそう伝えられた俺とAは、涙が枯れるまで泣きじゃくった。

俺達は長い夢を見ているんじゃないかとね。

その数日後、俺の祖父母と曾祖夫母が、放火による火災で他界。

更に数日後、残ったAの親族全員があの村に行き、一家心中したとの事だ。

正直怖くて、Aと俺はテレビを見なかったが、記事になっただろうと思う。

 

当時は、何故俺達が施設に預けられたのか、自分でも良く分からなかった・・・

しかし俺の両親も、Aの両親も、敢えて自分達との関係を断つことで、俺達を因縁から間一髪の所で救ってくれたのだと言うをこと、大分遅くなってから気付いた。

 

結構、長々と村の消滅について語ってしまった。

始めに時間が限られていると言ったのは、村の因縁に追われているからだ。

俺は、因縁の元となっている場所に行き、やるべき事をやる予定でいる。

昔、俺に憑いた因縁を祓える人がいると聞き、呪術に関係する村へ行った事がある。

その村も、その呪術が原因で村人の多くが死んだそうだ。

 

俺は多くの因縁を人に繋げてしまった。

この村の因縁を祓う事は出来ないが、多くの人に散らせる事によって、因縁その力を弱める事が出来る。

このスレに関係した人達の中には、村の因縁と関わりをもってしまう人がいるかもしれない。

もし身近に災いを齎してしまった場合は、冷静に行動する事を進める

以上で本編、後日談を含めた話を終える。

数日は、質問があれば答えます。

質問と回答

>怖すぎ・・・

読んだから因縁が付いちゃった?

 

>>怖がらせるようで済まないが、読むだけでは村の因縁には関係しない。

ので、安心して貰いたい。

だが、この村について深く知ろうとすると、村の因縁と繋がる可能性が高い。

正直、この話を聞いてくれる人がいてよかった。

今までこの話を他にした事が無かった為、村の事を皆に伝えられるか、少々不安ではあった。

話を聞いてくれる皆に感謝する。

 

>俺君とAのその後は?

およそ何年前?

やるべき事とは?

とりあえず教えて欲しい・・・

いきなり沢山だが許してくれ・・・

 

>>俺とAはその後、施設から遠い親戚の元へと引き取られ、その親戚が暮らす、アメリカで暮らす事になりました。

ここまで来て、皆に言い忘れていた事があります。

その事を、本当に申し訳ないと思う。

俺とAは、幼馴染であると同時に、又従兄妹の関係でもあり、俺一族とA一族には深い繋がりがありました。

そして、両一族の間で交わされた許嫁でもあります。

アメリカのある州に引っ越した俺とAは、慣れない生活を送りながらも地元の学校へ通いました。

Aはそのまま高校生活を送り、俺は高校を飛び級して大学へ通いました。

飛び級した理由としては、単純に単位取得が簡単だったと言う点もあったけれど、何よりAを速く養いたいと言う願望が強くありました。

俺が大学院を出た後、直ぐにAと共に日本へ帰国し、会社を立ち上げた後、Aと結婚しました。

俺はAに許嫁関係なく、Aの事が好きだといったら、俺君の事を私も好きだよと返事を返してくれた。

その結婚の数ヵ月後、Aが双子を妊娠した事が分かり、Aと俺には二卵性双生児の双子が生まれた。

俺達の子供が生まれたのが、今から十五年前。

村が消えたのが、今から四十年前ぐらいです。

俺があの村へ行き、やるべき事とは、簡単に説明すれば、あの村の因縁を封印する事です。

 

>村の名前も知りたい

 

>>村の名前は「深鬼村(ミオニムラ)」と呼ばれています。

元々、村とは指定されていないような場所なので、この名前は正式な名前ではありませんが、村の多くの関係者、そしてこの村に関係した文献にもそう伝えられています。

自分で語っておいてなんですが、深鬼村で起きた事、それに関連する物事等にも、まだ分からない点、違和感を感じる所、謎が多くあります。

一例を上げると、Bの事です。

彼はあの時、既に死んでしまっていたのか?と言う点。

今尚、俺には謎のままです。

 

>うん、なにともあれ、俺君の無事と健闘を祈る。

>>返信遅れてすまない。

数日後にあの村でやり忘れた事をやりに行くつもりだ。

村から帰還したら、スレッドを再び立てようと思っている。

『一つの村が消えた話をする(後編)』怖い話シリーズ128

怖異 恐子
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ゆきキャベツ

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