オカルト・怖い話

『叩かれるドア』怖い話シリーズ114

2020年12月25日

とあるホテルにまつわる怖ろしい話・・・

『叩かれるドア』

「お前知ってる?そのホテルってさあ・・・」

同僚がこれから泊まるホテルについて話始めた・・・

その手の話が苦手な俺は聞きたくないと怒ったが・・・

今回は怖ろしい怪談話『叩かれるドア』をお伝えします。

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

ホテルとかも割と心霊スポット多かったりしますよね・・・

賃貸とかとは違って、仮にその部屋で過去に人が死んでいたとしても・・・

その後に宿泊する人たちには、何も知らされることはない・・・

何も知らされないまま、人が死んだかも知れない部屋に宿泊することになったら・・・

ひょぇ~(汗)

想像したら、何だか怖くなってきちゃいました(汗)

それでは怖い怖い怪談話・・・

『叩かれるドア』

どうぞお楽しみください・・・

※このお話は3分ほどで読むことができます。

『叩かれるドア』怖い話シリーズ114

仕事で地方行く用事が出来て、時間の関係で前の晩に新幹線乗って一泊することになったのね。

で、同僚と話してるときに予約したホテルの名前言ったら・・・

 

「お前知ってる?そのホテルってさあ」

 

とか話し出して、そいつはその手の話大好きで、俺すっげえ臆病だから絶対聞きたくなくて・・・

 

「バカやめろよ言うなよ。言ったら殺す」

 

って慌てて遮って、そのときは聞かずに済んだんだよね。

でも、そいつのお陰でホテル着いた後も妙に気味悪くって・・・

どうせ一泊しかしないんだから、さっさと寝ちまおうと思って布団に入った。

だけど、俺くらい臆病な奴なら分かると思うけど、そういう時って一回恐いって思ったら終わりなんだよね。

寝るのも起きるのも身動きするのも嫌でもう朝になるの待つしかない。

そんで布団の中でいろいろ考えて、何故かそのときは死ぬのが異様に恐かった。

 

ずっと死ぬことばっかり考えて、いやだ、恐い、死にたくねえ、でもいつか死ぬ。

誰か助けてって。

もう本気で寝るの諦めて、どっかの飲み屋でも行って時間つぶそうと思い始めてた・・・

そしたら、その時・・・

 

ドンドンドンドン!!

 

って、部屋のドア叩いてるんだよ。

心臓止まんなかったのが不思議なくらいビビッた。

 

ドンドンドンドン!!

 

幽霊?火事?知り合い?

なんか事故でもあったのか?!

とりあえす電気点けて、でもドア開けるのは恐くて・・・

 

「なんですかー?」

 

って答えてみたら叩く音はピタッとやんだ。

そのまましばらく身構えてたけど、何にも言ってこない。

もう寝れる状態じゃない。

財布と電話確認して、なんとなく身支度して(寝巻きだけど)、ベッドの上に起き上がってじっとなんか待ってた。

それでしばらくしたら・・・

 

ドンドンドンドン!!

 

って、またドアを叩く音がした・・・

 

「なんかあったんですかー!?」

 

声を掛けたが返事も無い。

本当に緊急なら、ホテルの人間が何か言ってくる筈だ。

鍵も開けられるだろうし、部屋の電話も携帯電話もある。

そうしてこないなら、大した用事じゃないのか?

でも、さっきからの妙な気分は引き摺ってて、とにかく恐い。

 

ドンドンドンドン!!

 

フロントに電話しようと思った。

けど電話を見たら、そういう他人とのコンタクトが、すげえ不安になってきた。

言っても通じなかったらどうしよう。

つーか、なんか変なのが電話出たらどうしよう。

そんなことを考えていたら、突然・・・

 

ガチャガチャガチャ!!

 

ノブ回してる・・・

入って来る気だよ。

どうしよう。どうしよう。

ビビりまくって、でもベッドの上から動けなくて、とにかく早く朝になれと思った。

 

トンドンドントン!!

ガチャガチャガチャ!!

 

イタズラか?

近くの部屋に頭おかしいのが泊まってんのか?

早くこの時間が終わることだけ祈って、空が白くなっていった。

そして、そうこうする内にだんだんドアを叩く音の間隔が長くなって、しばらく後にやんだ。

 

仕事で朝早いのが救いだった。

フロントに電話してチェックアウトしたいって言って、あとは普通。

仕事して家に帰った。

そんで、前にホテルの話をしかけた同僚つかまえて・・・

 

「あそこ何かあったのか?」

 

って聞いてみた・・・

そしたら数年前に火事があって、大した火じゃなかったんだけど一人死んで、それから出るとか出ないとか・・・

まあ、そういう話だよ。

 

「ドア叩くんだろ?」

「何で知ってんの?もしかしてお前見た?」

「うん」

「へー。何号室よ」

 

つまんなかったかもしれないけど、俺の中では最高の怪談です。

あの夜を過ごした恐怖は一生消えねえ。

ちゃんとオチもあるよ。

 

そもそも、そいつは何で死んだか。

逃げ遅れたんだけどさ。

単純に。

パニックになってたか壊れてたか知らないけど、部屋の鍵が開けられなくて・・・

だから・・・

 

「やっぱ幽霊だったんだな。開けなくて良かった」

 

って漏らした俺に同僚は言ったよ。

 

「なんで? そいつ部屋の中から外に出たくてドア叩いてたんだろ?」

 

『叩かれるドア』怖い話シリーズ114

怖異 恐子
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ゆきキャベツ

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