とある教師が聞いた怖ろしい話・・・
『隠れ道祖神』
『隠れ道祖神』に触れると祟りに合う・・・
道祖神のいわれは、旅の安全を守る事と言われるが・・・
その道祖神はまるで違う意味があると言う・・・
今回は怖ろしい怪談話『隠れ道祖神』をお伝えします。
毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・
道祖神って、たまに道ばたで見かけるけど、あれって大昔からあるんですよね?
何百年もの間、人々の往来を見守り続けた道祖神・・・
何だから凄い悠久の歴史を感じる気もしますが・・・
それよりも良く誰にも壊されずにいられたなぁと関心しちゃいます(汗)
それでは怖い怖い怪談話・・・
『隠れ道祖神』
どうぞお楽しみください・・・
※このお話は3分ほどで読むことができます。
『隠れ道祖神』怖い話シリーズ90
『先生?道祖神って何ー?』
『ん?ああ・・・。旅の安全を見守っている神様で、その辺の道でも良く見るよ・・・。ちっちゃいお地蔵さんみたいな・・・。』
『たまにその辺の家の脇にあるやつ?』
『あー・・・。うん。たぶん・・・。・・・奥の細道か?』
僕は学校の授業で『道祖神』という言葉が出てくる松尾芭蕉の『奥の細道』でも習ったのかと思って問い返した。
しかし、どうやら違ったようだ・・・
『なぁ・・・隠れ道祖神って知ってる?』
『隠れ道祖神?マリオの1upキノコみたいな・・・?知らんわ(笑)』
『そんな良いもんじゃないよ・・・祟るらしいで・・・』
彼女の母親の時代の話だ。
『隠れ道祖神』に触れると祟りに合う・・・という噂が流れた。
だが彼女の母親も若かったので(たぶん小中学生の頃)、道祖神が何かはっきりとはわかっていなかった。
だが、その道祖神のいわれは、旅の安全を守る事ではなく・・・
彼女の説明がたどたどしかったので、かいつまんで言うと・・・
昔、その地をある高僧が(彼女曰く、超能力を使えるようなお坊さん)、日照り続きや凶作、疫病などで不幸続きの村を訪れたさい、その村の不幸の原因は『鬼』がいると示し、その鬼を封じる為にある道祖神を作り祭ったのだという・・・
その道祖神が倒れたり、壊れたりするとまた鬼が現れ、不幸を為すとの事から、その道祖神は隠れた場所に作られ、またその顔は憤怒の形相で形作られた・・・
良くある昔ばなしの典型だ・・・
『へぇ~。面白い昔ばなしやな・・・でもそれは道祖神ではないな・・・。旅の安全を守るとかじゃなく、封印してるやん・・・ちなみにお母さんはどこから来た人なん?』
『ん?田舎?おばあちゃん?ずっとここやで・・・』
・・・て事は・・・。
『じゃ・・・さっきのはこの辺りの事?』
『たぶん・・・そう・・・』
おいおい・・・ほんまかいな・・・
でもまぁ面白かったかな・・・
『そうか・・・なかなか面白い話をありがとう。隠れ道祖神な・・・覚えとくわ・・・』
と言って一度はこの話は終わった・・・
しかし・・・彼女とはまた別の中学校の生徒から・・・
『先生・・・先週な・・・。京十公園でみんなでサッカーしてたらな・・・。ちょっと外れの草むらにボールが入ってさ・・・探したら一人、そこにあった穴に足が落ちて、みんなで草を引っ張って助けてたら、めっちゃ穴が広がって・・・』
とりあえず彼は、近くの公園の草むらで偶然大きな穴を発見したという事らしい・・・
『で、かなり広くてさ・・・家が近くの奴が懐中電灯持ってきて、中を照らしてみると奥の方にさ、お地蔵さんがあったんやけど・・・。それがなんか気持ち悪い顔してんねん・・・めっちゃ怒ってるような・・・。気持ち悪いから放っといたんやけど、こんど人数集めて行こうと思ってさ・・・』
と僕の授業を始める前の挨拶『なんか面白い事あった?』に返して彼は言った。
この話を聞いて最初に頭に浮かんだのは、古い洞窟内や井戸にはガスが溜まっていたり、酸素が無かったりして危険である・・・
・・・という事と、『隠れ道祖神』の話だった。
『隠れ道祖神』の話にはモデルがあった・・・?
いや今はそれよりも・・・
『おい、古い穴には目に見えないガスが溜まってたりして危険やぞ・・・。最悪死人が出るから入ったらあかん!お前も死にたくないやろ?友達が死ぬのも嫌やろ・・・?だから全力で皆を止めろ。』
とかなり強めに言った。
実際見てもいないし、そんな可能性は低いのだが、崩落の可能性も考慮すれば危険な事に変わりない・・・
彼にも僕の真剣な説得が届いたのか・・・
『わかった…。やめさすわ』
と約束してくれた。
だが僕は・・・
・・・昔の僕なら行ってるな・・・
と考え、次の日の朝には市役所に連絡して、子供たちが危険だから・・・という理由で至急措置を取るように連絡した。
・・・地中に隠されていた憤怒の形相をした地蔵・・・
何の為に、そんな場所に奉られる必要があったのだろう・・・?
その程度で、僕は『隠れ道祖神』の噂は信じていなかった・・・
ある小学生に夏休みの『地域調査』に関する宿題について尋ねられるまでは・・・
『なぁ先生。社会の宿題これでいいかな・・・』
と良くできた壁紙新聞を見せられた。
内容はこの地域にある名所だ。
小学5年生にしては非常に良くできていて、感心出来るものだった・・・が、気になったのは内容だ。
この辺りには『弘法の井戸』と呼ばれる井戸があり、人気の無い寂しい場所に人知れず保護されているという・・・
その看板に書いてあった内容は・・・
『昔、日照りで苦しんでいた村人の為に通りがかった弘法大師が、杖(?)で地面をつつくと、そこから水が沸きだし、以来どれだけ日照りが続いても、その井戸の水が枯れる事は無かった』という・・・
・・・日照りで苦しんだ村人・・・
弘法大師と言えば高僧中の高僧・・・
そして弘法大師がこの辺りに来ていた事実・・・
公園内の地下空洞に隠されるように安置されていた憤怒の形相の地蔵・・・
『隠れ道祖神』の噂に非常に近くはないだろうか・・・?
今はその公園の穴は、市によって封鎖されたと生徒から聞いた。
その際、あの地蔵はどうなったのかはわからない・・・
だが具体的にはわからないが、封鎖作業中に事故があったとも耳にした・・・
『隠れ道祖神に触れると祟りがある…』
もしかしたら作業中に・・・
『隠れ道祖神』怖い話シリーズ90
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