オカルト・怖い話

『ババ様の祠』怖い話シリーズ113

とある神主一家にまつわる怖ろしい話・・・

『ババ様の祠』

うちはかなりの田舎で代々神社をやってる・・・

ある日、神社の裏にある森からカーンコーンと言う音が・・・

「やめとこ、ねえ、怖いってば・・・」

今回は怖ろしい怪談話『ババ様の祠』をお伝えします。

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

呪いの方法って・・・

丑の刻参りが有名ですけど、あれって本当に効くんですかねぇ?

深夜、丑三つ時に呪う相手の髪の毛なんかを藁人形に忍ばせて・・・

カーン、コーンと・・・

本当に効くなら・・・

ちょっと、やってみたい気もするような、しないような・・・(汗)

それでは怖い怖い怪談話・・・

『ババ様の祠』

どうぞお楽しみください・・・

※このお話は4分ほどで読むことができます。

『ババ様の祠』怖い話シリーズ113

うちはかなりの田舎に住んでる。

代々神社をやってるんだが(俺の家のは小さい。本家がでかい)俺と妹は小さい頃から継ぐ気なんてさらさら無く、兄と姉がときどき神社についての勉強(?)みたいなのしてた。

だから俺は自分の家の神社がどんな神様を祀ってるとか全然知らないわけ。

 

そんな俺と妹と、姉ちゃんが家で留守番してたときのこと。

俺の家は古くて、便所が家とはなれたところにある。

ぼっとんというか、気持ち悪くて、妹は極度の怖がりなんでいつも俺がついてってた。

 

神社の裏に便所はあって、その奥は森みたいになってて祠とかがぽつんと建っててあんま近づくなって言われてた。

妹が夜中に起きてきて、「お願い。トイレついて来て」って言われたもんだから目を擦りながらついてった。

妹が入ってるとき、なにやら森の奥のほうから音が聞こえてきた。

カーンみたいな、コーンみたいな、鉄と鉄がぶつかり合う音みたいなの。

妹が出てきてから、音のするほうに一緒に行ってみることにした。

 

「やめとこ、ねえ、怖いってば」

 

とかブツブツいってるけど俺は気にせず行った。

もともと妹にはちょっと霊感があるから、何か感じてたのかもしれない。

音のするほうにだんだん近づいていくと、人間がいることに気付いた。

 

でも、そいつの風貌が恐ろしいの。

顔に色塗ってて(赤?茶?)目なんか開ききってて・・・

その女が・・・(多分女。年齢はわからない)

 

「おまえたちhdfg、k;!!!!」

 

みたいなことを叫んできて、石投げながら追いかけてきた。

妹も俺もわけも分からず半泣き状態。

無我夢中で逃げた。

そこに姉ちゃんが来て「よくも!かえれ!!」みたいなこと言って「カルヅゲタマが知ると」とかその後叫んだ。

あまり聞き取れなかった。

 

女は森の奥へ逃げていった。

姉ちゃんが来なかったらどうなってたんだろ・・・

俺が「姉ちゃんありがとう、何だろ・・・あいつ」って言ったら、そばで妹がしゃくりあげてる。

姉ちゃんは「さつき(妹)を部屋に連れてって。あとで話すから」って言った。

姉ちゃんもちょっと青ざめてた。

俺と妹はそれ以上に青ざめてたけど。

 

妹が布団に入って、その部屋で姉ちゃんは俺と妹に話してくれた。

まず「さつき、見たんだね。アキ(俺)は?」って言われた。

あの女のことかと思ったけど、どうやら違うらしい。

俺の家族の名前は俺含めて仮名です。

 

「まさかあんなのがまだいるなんて。さつき、詳しく言うとどんな感じだった?」

「うん、初めて見たから詳しくは分からないけど、女の子だった。凄い髪が長くて、女の髪にぶらさがってた」

 

妹と姉ちゃんが何やら、そのようなことを話している。

あの時はたしかに女の子なんて居なかった。

髪の毛は女も長かったけど、そんな人間がぶら下がるほどの長さでもなかった。

ていうかぶら下がれるの?人間。

 

「アキは見えなかったんだよね?」って言われたから「うん」って言うと、姉ちゃんは話し始めた。

 

なにやら俺の家の神社は昔、呪いの御祓いとかもしてたらしく、あの祠に居るのは大昔、地方一帯に呪いをかけてた神様らしい。

(俺たちは「ババさん」とか「ベベさん」とか呼んでた)

その影響かもしれないが、俺の家の神社の裏では時々呪いの儀式が行われていたらしい。

本来ならば他人に気付かれてはいけないものらしく、物音は立てずに行われていたので俺らは気付かなかったらしい。

 

俺の家の神社でやると、跳ね返った呪いが祠で受理されるのだという。

今回は一番オーソドックスな「丑の刻参り」ではないだろうか。

俺の推測だから分からないけれど、多分本格的なものだろう。

姉ちゃんはそのあとも色々語った。

 

今回のあの少女は、ここの神社に居た霊ではなく、外から入り込んだものであろうということ。

なんかこっちの地方の霊ではないらしい。

(何で分かったのかは聞いたけどスルーされた)

そして恐らく姉ちゃんでは力が足りない、兄ちゃんか母ちゃんでないと駄目らしい。

あの女は最近うちの神社に昼間決まった時間に御参りに来ていたらしく、そのときの服装は決まって赤いワンピースだった。

まさか丑の刻参りをするとは、兄ちゃんでも思わなかったらしい。

 

「詳しいことは私の口からは全部いえないから、明日両親と兄ちゃんが帰ってきてからにしようか」

 

そこで話は終わった。

多分森では続きが行われていただろう。

俺がトイレ我慢できなくて、コソコソもう一回行ったときも音してたから・・・

両親と兄ちゃんが帰ってきてからは、神社で本格的な話し合いが始まった。

 

「あれはいかん。早いとこババさんにあずかってもらおう」ということを母が話すと・・・

「もしかしたらババさんでもあかんかも」という答えが兄から返ってきた。

俺は黙って聞いてた。

 

話によると、あの少女はやっぱりこっちの地方の霊ではないらしく昔先祖が張った結界(この結界の中にいたらババさんのところに自動的に誘導されるらしい)も効かない、きわめて強い霊だという。

正体があまり分かっていない分、俺ら家族(というか4人)はもう一度結界を貼ることにした。

 

そのときに姉ちゃんが「あ」と声を上げた。

妹が「昨日の女が来た!」と叫んだ。

 

女は確かに赤いワンピースに、前見たときより比較的、髪の毛はまとまっているまともな格好をしてた。

ただ今日だけは、神社のところに祭っている箱みたいなものに石を投げ出した。

父ちゃんが「やめろ!キヌを置いて行け!キヌを!」と女に向かってみたことも無いような形相で叫んだ。

後から聞くと、キヌは少女の名前らしい。

少女が名乗ったと兄ちゃんは言ってた。

俺は聞こえなかった。

 

女は一目散に逃げ出した。

女は祠のほうに向かっていって、祠を必死であけようとした。

祠があいた。

初めて俺は祠の中を見たけど、こけしみたいなのが入ってた。

「見るな!見ちゃいかん!」と父は言い、母はまた「カルヅゲタマが知ると、オンヌシが黙ってはいないぞ」みたいなこといった。

(この言葉については「継がんやつには関係ない」といって教えてくれない)

 

女はうめきながらこけしを撫でている。

父と兄ちゃんが取り押さえて、「アキとさつきは神社へ行け!ババさまにお願いしてくれ!」と母が叫んだ。

俺と妹は走って神社に行って、何も考えずババさまにお祈りした。

すると妹がやけに泣き出した。

「ふぃ、ひゃあ、ぎゃえgcrんxc」と訳の分からないこと言って「呪うぞ」と妹からは聞いたことの無いような低い声でつぶやいた。

 

俺はもう怖くて怖くて、本当に大泣きしながらババさまにお祈りした。

妹はときどき白目を剥きながら、「のろう」という言葉を交えつつ叫んでいる。

俺の家の神社は山の上のほうにあるので、人は誰も来てくれなかった。

そのとき、さすがに霊感の無い俺でも分かった。

 

妹が俺の背中を引っかくときに、なにかが俺の髪をひっぱった。

妹の手は両手とも背中にあるから、妹ではない。

そして「受け止めた」か「いけるとみた」みたいな言葉が聞こえてきて妹が倒れ、俺もなぜか身体が軽くなった。

 

その後、母が「終わった」と言って、「さあ、さつきを連れて行って」と、どこかへ歩いていった。

さつきはもう意識を取り戻したようで、「自分でいける」と言って俺と二人で歩いて家まで行った。

俺はまだ半泣きだったけど、妹も両親も、兄も姉も意外と平気な様子で、その日の晩御飯は普通の白い飯だった。

 

あのときに助けてくれたのはババさまでは無いらしい。

あの女がどうなったのかも、誰も俺と妹には教えてくれなかった。

ただあの女が神社に来ることは二度と無かった。

ババさまの祠はというと、今は別の場所に移されて、相変わらず近づいてはいけないといわれている。

母も父も兄も姉も「忘れろ」とだけ俺に言う。

 

あと、ババさまはあくまで呪い関係の神様らしく、あまりいいものではないようです。

あのあと母が何度も本家に行って、同じようなこけしを目撃したので本家が処理してくれたんだと思う。

 

これでおしまいです。

俺の中ではまだ決着ついてないんですが、家ではこの話題はタブーになってます・・・

『ババ様の祠』怖い話シリーズ113

怖異 恐子
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ゆきキャベツ

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