オカルト・怖い話

『家族の奇行の真相』怖い話シリーズ116

恐怖が植え付けた記憶にまつわる怖ろしい話・・・

『家族の奇行の真相』

僕が中学3年だった年の正月、深夜・・・

真夜中に悪夢を見て目を覚ました・・・

すると真夜中なのに家族全員が・・・

今回は怖ろしい怪談話『家族の奇行の真相』をお伝えします。

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

人の記憶って、どこまで当てになるんですかねぇ・・・

たしかこんな感じだったよなぁって記憶していた出来事が、実はぜんぜん違っていたり・・・

ある出来事を体験したはずなのに、実はぜんぜん体験したことがなく、記憶の中だけの話だったり・・・

私は特に幼い頃の記憶で、そう言うのがあったりします(汗)

そう言う記憶って、自分で都合良く書き換えてしまっていたのかもですが・・・

もしかしたら別の要因があるのかもって、気がしたりもします・・・

それでは怖い怖い怪談話・・・

『家族の奇行の真相』

どうぞお楽しみください・・・

※このお話は4分ほどで読むことができます。

『家族の奇行の真相』怖い話シリーズ116

自分の身に起こった今でも信じられない実話です。

まだ僕が中学3年だった頃、父親と母親と弟(まだ小学校低学年)の4人家族でした。

紅白歌合戦を見終わって、いい初夢でも見るかな…ってな具合で寝たのはよかったんですが、真夜中に悪夢(見た夢の内容は思い出せない)を見て、突然真夜中に起きました。

心臓は音が聞こえるほど、激しく脈打っていて、脂汗を全身にじんわりかき、まるで冷や水を背中から流されたかのように、布団からがばっと起きた体勢のまま硬直してました。

 

「新年早々に悪夢かよ…最悪」とか思いながら、また寝れるわけもなく、カラカラに渇いたのどを潤すために、冷蔵庫のあるリビングに行きました。

すると真夜中なのに(時計は見てないけど、たぶん深夜2時頃)家族全員が抱き合った格好でテレビの前に座っていました。

テレビは付けっぱなしでしたが、深夜なので番組がやっていないはず・・・

にもかかわらず、ニュース番組(これも記憶が曖昧)の画面が映っていました。

しかも無声で…。

それに窓という窓が全部開けっ放しになっていて、外と変わらないほど寒いんです。

明らかに様子が変でした。ぞっとする寒気を感じました。

 

「何やってんだよ!!頭おかしいんじゃねぇの??」と震えながらだが、半ばキレたように怒鳴ると、弟は「だって…ぁ…(声が小さくて聞き取れない)」と言うと泣き出してしまいました。

それを見た両親は、終始無言&無表情で窓を全部閉めて、テレビを消し、うずくまって泣いている弟に「もう寝なさい」ってな感じで、寝室に連れて行きました。

新年早々、気味が悪すぎる出来事に遭遇しまくって寝る気が起きないので、その日は自分の部屋で、漫画を読みながら朝を迎えました。

 

朝になって、両親に「昨日、真夜中に何やってたんだよ??」と聞くと両親は「はぁ??」ってな具合。

昨日の喜怒哀楽のない顔と、今の怪訝そうに俺を疑う表情のギャップで俺は「幽霊ってやつか??」とかなりパニくった。

 

まあ、そんな話を友達にしても疑われるだけだし、12月に彼女に振られたのもあって、きっと精神的な疲れから幻覚を見たんだろう…ってな感じに処理しました。

それからしばらくして、また真夜中に悪夢で目が覚めました。

 

今度は、微妙に内容を覚えていて、見知らぬ人に後頭部を殴られる夢です。

なぜか起きてもジンジンとつむじ辺りが痛いんです。

そして、なぜか「コンビニなら安全…」とか意味不明なことを考えてました。

 

頭の中は「幽霊に襲われた」って考えが支配してて、パニクってリビングに逃げたのですが誰もいないし、なんか夕食の焼肉のせいか、焦げたにおいが浮遊してて、しかも新年早々にリビングであった奇怪な出来事を思い出し、またもや眠れぬ夜を過ごしました。

 

そして、2月の初め頃になると、体が異常に痒くなってきました。

最初は単なる乾燥肌と思ってましたが、背中と頭が特に焼けるような感覚を覚え、ボリボリ掻きむしっていました。

 

一向に良くならず、皮膚科に行って塗り薬をもらい、風呂上りに薬を塗ろうとしました。

すると、弟が「塗らせて」と懇願するので背中を突き出してやると、何を思ったかバチーンと背中に張り手をくらわしてきました。

僕は痛さのあまり「ふざけんな!!」ってな感じで怒りました。

 

僕の怒鳴り声を聞くと必ず泣く弟なので、見る見るうちに目に涙をためて、「あぁ…泣くぞ泣くぞ」と思ってると声も立てずに涙をポロポロ流します。

変なことにどんどん顔は色味を失ったような感じになって、ついには無表情で涙だけを流すだけといった感じでした…。

 

めっちゃ気持ち悪くて、両親のほうを見たら、これまた両親も無表情で涙を流してます。

もう完全に放心状態…。

よく見ると口元が微妙に動いてて、何かを言っていました。

しかし、何を言っているのかハッキリとは分かりませんでした。

「ぁ……ぃ」聞き取れてこの程度・・・

 

その瞬間、自分の周りの景色が真っ赤になり、徐々に色あせてセピア色になって意識が…なくなる…と思ったら、いきなり周りの景色が一変してました。

どっかで見覚えあるような…と思ったら従兄弟の家でした。

深刻そうに叔父が俺の顔を見ています。

 

「え…何でここにいんの??」全然事態が飲み込めません。

そのうちぞろぞろと周りの人たちが集まってきました。

最初は「今までのは全部夢だったのか??」と自分で推測してましたが、叔父の家にいる経緯が全く分からないし、なぜか祖父母もいるし、あちこち包帯だらけで、完全にパニック…。

 

「記憶がないならないほうがいいんじゃないか??」とか祖父が言ってたのですが・・・

叔父は「こいつには何があったか話しておかんとならん。まだ犯人も捕まってないし、1週間後にまた警察の人が来るだろう」ってな具合で叔父から全貌を聞きました。

僕の家族は1月1日に何者かの放火にあって全焼したようです。

 

僕はたまたまコンビニに行っていたので、助かったみたいなんですが、犯人と思われる人を見たために、後頭部を殴られ、全身をバットかなんかでめったうちにされて、記憶を失ってしまったそうです。

 

搬送先の病院でずっと生死をさまよった後、回復してから叔父の家に引き取られたそうです。

そして今は3月…2ヶ月も記憶を失ったまま、リハビリを続け、たった今、記憶が戻ったとのことでした。

 

僕は号泣しました…。

いっぺんに大切なものを失ったのを、2ヶ月も過ぎてから分かり、ただただ泣きじゃくる顔を、祖父母と叔父に見られていました。

叔父は黙って目を反らしていましたが、祖父母たちももらい泣きして、わんわん泣き続けていました。

 

体中には青あざが無数にあり、包帯がミイラのごとく巻いてありました。

そして節々を曲げるたびにチリリとした痛みが走りました。

 

なぜか真冬の真夜中に全部の窓が開いてあったこと、無表情で固まりあう家族、見知らぬ男に殴られる悪夢、突然真っ赤になった景色…

まるでジグソーパズルのように謎がピシピシとはまっていきました…。

 

結局、犯人はいまだに捕まっていません。

そして、背中の包帯を取ったときに僕の青あざが残る背中には、弟の手のひら状に無傷だった跡がありました。

事件から5年経ち、あざが消えるのと共に、その手のひらの跡も消えてしまいした…。

 

長々と下手な長文すみません。

僕にとっては忘れられない事件です。

話自体は怖くないと思いますが、犯人が未だに捕まっていないことを考えると僕はそっちのほうが恐ろしいです。

読んでくれた方ありがとうございました。

 

『家族の奇行の真相』怖い話シリーズ116

怖異 恐子
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ゆきキャベツ

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