オカルト・怖い話

『愛してはいけない』怖い話シリーズ79

2020年9月7日

とある一族にまつわる怖ろしい話・・・

『愛してはいけない』

私には尊敬する住職がいた・・・

住職はすでに結婚していてもおかしくない歳だったが・・・

いまだに独り身・・・それには理由があった・・・

今回は怖ろしい怪談話『愛してはいけない』をお伝えします。

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

先祖が犯した過去の過ち・・・

その過ちのせいで、子孫までもが呪われてしまう・・・

何だか納得いかない感じだけど、そんな家に生まれてしまったら・・・

どうすれば良いんですかねぇ・・・(汗)

それでは怖い怖い怪談話・・・

『愛してはいけない』

どうぞお楽しみください・・・

※このお話は6分ほどで読むことができます。

『愛してはいけない』怖い話シリーズ79

 

私の尊敬する住職は、すでに結婚していてもおかしくない歳なのだが、まだ結婚していない。

その住職は小さい頃からの知り合いなのだが、住職らしからぬノリの良さで、周りからはちょっとチャラい住職だと思われていた。

 

しかしながら、その能力は本物で、霊視や除霊など一般人が思いつく限りの霊能力技術を身につけていた。

そんな彼は見た目も合間って、その実情を知っている人はほんの一握りしかいない。

そんな住職が結婚しないのは理由があった。

それは住職の過去の経験が結婚を・・・いや人を愛せなくさせていた。

 

当時、住職には彼女がいた。

ここでは仮にその人をSさんとしよう。

実はSさんと私は面識があった。

Sさんは少し内気で、人前に出ることが得意ではない人だったが、おしとやかでとても綺麗な人だった。

今でこそなんとなくわかるのだが、Sさんは住職と結婚を意識していたと思われた。

だが結婚までは踏み出せず、何年も月日が流れていった。

 

そうなっていたのには大きな原因がある。

Sさんは呪われていたのだ。

いや・・・この表現は正しくないだろう。

Sさんの家族全員が呪われていたのだ。

 

その原因はSさんの祖父母の祖父母、つまり高祖父母の時代まで遡ることになる。

Sさんの家系は代々「巫(かんなぎ)」としてかなり地元じゃ有名な家族だった。

巫を知らない人のために説明しておくと、自身を神の拠り所として神の言葉を伝えるというのが一般的な通説である。

Sさんの家系ではその仕事に加え、霊視や除霊、浄霊もこなしていたと聞いている。

だがSさんの高祖父母の時代から、代々続いてきた仕事はおかしな方向に進んでいった。

 

Sさんの高祖父母が行なっていたのは「呪いの代行」だった。

とはいっても呪いをかけるのは高祖父母ではなく、呪いをかけるとある人物に合わせていた。

その人物というのは小さな女の子だった。

高祖父母の家族・・・ではない小さな女の子だった。

高祖父母は呪われている人を見つけては・・・

 

「呪いを解いてやろう」

 

と言葉たくみに自宅のとある儀式場に連れていき、そこにいた小さな女の子に会わせていた。

実は巫は呪いを解く力なんて持っていない。

それが小さな女の子となればなおさらだ。

つまり実際には呪いを解く力なんて持っていない高祖母たちが、あたかも呪いを解いているフリをしていただけだったのだ。

 

行なっていた呪いを解く儀式というのは難しいものではない。

訳のわからない言葉を10分ほど唱えた後、呪われている人の人差し指を少し切り、その血液を壺の中に入れる、これで呪いを解く儀式は終了だ。

それが終わった後は・・・

 

「呪いは解かれたから安心しなさい」

 

など適当なことを言って、呪われている人を家に帰していった。

もちろんフリなので呪いなんて解けていない。

その後、集めた血を持って小さな女の子の元へ向かっていった。

そして、その血を女の子に飲ませていくのだ。

住職によると、呪いがかかっている人物の血にも、それなりの呪いの力が宿っているのだそうだ。

 

そんな血を何回も何回も飲まされた女の子はどうなってしまうのか。

想像するだけでもおぞましいのだが、飲むたびに呪いの力は宿っていき、呪いの元凶すなわち呪いそのものの存在となってしまっていった。

この時点で高祖父母の呪い代行の準備は完了した。

では、どのように高祖父母は呪い代行を行なっていったのか。

先ほども言ったように呪われている人の血には呪いの力が宿る。

つまりそう・・・

小さな女の子の血をのませるのだ。

 

飲むといってもコップ一杯の血を飲ませるのではない。

たった一滴で呪いは成立する。

呪いたい標的の飲み物や食べ物に一滴でも混ぜ込むだけで、それを口にした人物は数日のうちに原因不明の死を遂げる。

そんな仕事をしているある日、呪いの元凶である小さな女の子が突如消えた。

その数日後、高祖父母も原因不明の病で急死してしまった。

 

その目は見開かれ、あまりの恐怖で顔はぐちゃぐちゃに歪んでいた。

その様子を見た当時の家族は、あまりの恐ろしさに夢にまで出てしまうほどだったそうだ。

その後、Sさんの家には不可解なことばかりが起こっていった。

そしてなぜか女性ばかりに不幸は襲いかかっていったそうだ。

 

一族の女性は「30歳以上は生きられない」ようになってしまったのだ。

30歳を超えていた女性は親戚含め次々と亡くなってしまい、新しく30歳になった女性も急死してしまったという。

そしてこれまた偶然なのか呪いなのか、Sさんの高祖母が亡くなってから生まれてくる子供は全て女の子だったそうだ。

高祖父母はこの恐ろしい呪い代行の儀式のことは家族には伝えていなかったので、まさかこんな呪いがかかっているとは誰も思ってもしなかったようだ。

高祖父母は遺言のように・・・

 

「儀式場は残すように」

 

と言っていたため長い間そのまま放置されていたのだが、現代になって周りの景観にも会わなくなってきたため儀式場を取り壊すことを決めたという。

儀式場の取り壊しを進めるために中を整理していると、高祖母が残したであろう手記が発見された。

その手記に書かれていた内容は、高祖父母がしていた一連の儀式の詳細な内容だった。

これを見たSさんは・・・

 

「もしかすると一族には呪いがかかっているのかもしれない」

 

と推測し、住職に助けを求めにいった。

実を言うとこのことが住職とSさんの出会いだったのは、後になって分かったことだった。

Sさんが住職に助けを求めにいったのは27歳の時だった。

呪いがかかっていることを、霊能力の高い住職さんが理解するのには時間はかからなかった。

そのタイムリミットが近いことも・・・

 

まずは呪いを解くために様々な方法を試した。

お祓いや除念など思いつく限りのすべてのことを試しただろう。

しかし、どれも効果は全くなく時間だけが刻々と過ぎていった。

実のことを言うと、呪いの元凶が儀式場にあることは住職もすぐに分かっていた。

しかし、そのような霊的なことをSさんの父親は全く信じておらず、またSさんの父親は世間体をとても気にしていたため
住職を儀式場に入れることに激しく反対していた。

 

そうしているままSさんが29歳になってから数日後、勤めている会社で倒れたとの連絡が入った。

大事には至っていなかったものの倒れた原因は不明で、医者からはストレスからきているのだろうと診断された。

しかしSさんが倒れた原因はストレスではないことを住職は理解していた。

先に到着していたSさんの父親に今まで以上に詳細に説明した。

 

このままではSさんの命が危ないこと・・・

原因は儀式場にあることなど今まで幾度となくした説明を・・・

住職の必死の思いが通じたのか、Sさんの父親はついに儀式場の立ち入りを許可した。

その週末ようやく住職は儀式場の前に立っていた。

 

Sさんや周辺住民には何も感じないだろうが、儀式場に渦巻いている混沌とした禍々しい力を住職は感じ取っていた。

儀式場に入るときに住職の隣にはSさんがいた。

住職は直感的にSさんがいないと呪いは解けないことを感じ取っていたからである。

そうして二人は静かな儀式場に足を踏み入れていった。

 

儀式場の中には混沌とした気配が漂っていた。

前回儀式場を取り壊すために中を整理している途中に手記を見つけたため、儀式場の中はやや荒れていた。

外からの見た目とは違い儀式場は重いのほか広かった。

一階は儀式を行うメインとなる畳張りの部屋だった。

正面には豪華な祭壇のようなものが設置されている。

ある程度はダンボールの中に整理されていたが、まだ多くの書物が棚に残されていた。

そのほとんどは巫に関するものだ。

 

ゆっくりと中を確認した後二人は二階に登っていった。

二階には儀式用と思われる小さな部屋が一つと、キッチンや寝室などの住居スペースがあった。

前回Sさんは2階には上がっておらず、高祖父母が亡くなってからはそのままになっていた。

何十年ものないだそのままになっていたはずだが、埃などは溜まっておらず異様な雰囲気がしたと住職は語っている。

 

すべての確認を終えた住職とSさんであったが、肝心のあるものを見つけられていなかった。

そう小さな女の子がいた地下室だ。

手記には地下室の記載があり住職もSさんも元凶であることは本能が語っていた。

しかしいくら探しても地下室への入り口がないのだ。

元凶そのものを探そうとしても、異様な気配が充満しているため住職の力は正常に働くのは困難だった。

そこで住職とSさんは、手分けして探すことにした。

 

しばらく探していると正面にあった祭壇の右手に不自然なマットが敷かれていることに目が止まった。

畳と同じ色になっていて部屋全体が暗いこともあり、入ってきた当初に気づくことができなかったようだ。

マットをめくると入り口らしき四角い蓋があらわになった。

その重々しいフタを開けると冷たい風が吹き抜けた。

そこには階段ではなく梯子が続いていた。

梯子はかなり深くまで続いており光が届く気配はない。

地下室の中は真っ暗だった。

 

梯子を降りると一本道が続いておりその先にはやや広めの空間があった。

小さな女の子の生活していた場所だったのか、布団や毛布枕などが残されていた。

そうした中、異様な気配の出所だったであろう、ひな壇の棚の上に置いてある楕円形のツボに目がついた。

いやむしろ、その楕円形の壺にしか目を向けることができなかった。

楕円形の壺を見てみると蓋がしてあり呪文のようなお札が何枚も貼られていた。

とはいっても、ほとんどは朽ち果てており、端に貼ってあった数枚しか残ってはいなかった。

 

住職は意を決してその壺の蓋を持ち上げた。

その途端Sさんの悲鳴が響き渡る。

その壺の中にはミイラ化した人間が収められていた。

誰のものかわからなかったが、おそらくは手記に記されていた小さな女の子のものであろう。

その顔は歪み人間とは思えない形相だった。

 

すぐに二人は警察に連絡し状況を説明した。

最初は住職とSさんが疑われたものの、遺体の状況から二人が関与している可能性はないと判断された。

事情聴取が終わった後、小さな女の子のミイラを手厚く埋葬した。

その次の日からSさんはみるみる元気になっていった。

その後は父親公認の仲になり幸せになっていったという。

 

呪いのことも忘れすべてが終わった思っていた頃、その時は突然きた。

Sさんの30歳の誕生日の次の日、Sさんは原因不明の病で急死してしまったのだ。

何が原因だったのかそれは明らかだった。

あの呪いは解けていなかったそう思わざるを得なかった。

その後、住職は抜け殻のようになってしまったという。

 

今ではその片鱗を見せないが、やっとSさんがいない悲しみから少しだけ救われたということになるだろう。

今後、住職の中からSさんのことがいなくなることはない。

彼女以上に愛せる人などこの世には存在しないのだから。

 

『愛してはいけない』怖い話シリーズ79

怖異 恐子
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