オカルト・怖い話

『ヤマノケ』怖い話シリーズ147

2021年5月26日

山にまつわる怖ろしい話・・・

『ヤマノケ』

1週間程前、娘を連れてドライブに行った・・・

なんてことない山道を進んでいってたんだけど・・・

途中で娘を驚かそうと舗装されてない道へ入って・・・

今回は怖ろしい怪談話『ヤマノケ』をお伝えします。

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

山にまつわる怖い話って多いですよね・・・

深夜の山道、何もいないはずの暗闇から何かが飛び出して来たりとか・・・

気付いたら車の助手席に見知らぬ女性がとか・・・

暗い山道と言うシチュエーションが怖さを倍増させて、ありもしない幻覚を見たのか・・・

それとも本当に山には何かが潜んでいるのか・・・

真相は解らないけど、暗い山道とか走ってるとたしかに妙な恐怖感に襲われることありますよね(汗)

それでは怖い怖い怪談話・・・

『ヤマノケ』

どうぞお楽しみください・・・


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※このお話は3分ほどで読むことができます。

『ヤマノケ』怖い話シリーズ147

一週間前の話。

娘を連れて、ドライブに行った。

なんてことない山道を進んでいって、途中のドライブインで飯食って。

で、娘を脅かそうと思って舗装されてない脇道に入り込んだ。

娘の制止が逆に面白くって、どんどん進んでいったんだ。

そしたら、急にエンジンが停まってしまった。

 

山奥だからケータイもつながらないし、車の知識もないから娘と途方に暮れてしまった。

飯食ったドライブインも、歩いたら何時間かかるか・・・

で、しょうがないからその日は車中泊して、次の日の朝から歩いてドライブイン行くことにしたんだ。

 

車内で寒さをしのいでるうち、夜になった。

夜の山って何も音がしないのな。

たまに風が吹いて木がザワザワ言うぐらいで・・・

で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。

俺も寝るか、と思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。

今思い出しても気味悪い・・・

声だか音だかわからん感じで・・・

 

「テン(ケン?)・・・ソウ・・・メツ・・・」って何度も繰り返してるんだ。

 

最初は聞き間違いだと思い込もうとして目を閉じたままにしてたんだけど、 音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ。

そしたら、白いのっぺりした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいてくるのが見えた。

形は「ウルトラマン」のジャミラみたいな、頭がないシルエットで足は一本に見えた。

そいつが、例えるなら「ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら」向かってくる。

 

めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、なぜかそのときは「隣で寝てる娘がおきないように」って変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることもできないでいた。

そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。

通り過ぎる間も、「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」って音がずっと聞こえてた。

 

音が遠ざかっていって、後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから、ほっとして娘の方を向き直ったら、そいつが助手席の窓の外にいた。

近くでみたら、頭がないと思ってたのに胸のあたりに顔がついてる。

思い出したくもない恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。

俺は怖いを通り越して、娘に近づかれたって怒りが沸いてきて、「この野郎!!」って叫んだんだ。

叫んだとたん、そいつは消えて、娘が跳ね起きた。

俺の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って娘にあやまろうと思ったら、娘が何かぶつぶつ言ってる・・・

 

「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」

 

やばいと思って、何とかこの場を離れようとエンジンをダメ元でかけてみた。

そしたらかかった。

急いで来た道を戻っていった。

娘はとなりでまだつぶやいている。

早く人がいるとこに行きたくて、車を飛ばした。

 

ようやく街の明かりが見えてきて、ちょっと安心したが、娘のつぶやきが「はいれたはいれた」から「テン・・ソウ・・メツ・・」に・・・

そういつの間にか変わってて、顔も娘の顔じゃないみたいになってた。

家に帰るにも娘がこんな状態じゃ、って思って、目についた寺に駆け込んだ。

夜中だったが、寺の隣の住職が住んでるとこ?には明かりがついてて、娘を引きずりながらチャイムを押した。

 

住職らしき人が出てきて娘を見るなり、俺に向かって「何をやった!」って言ってきた。

山に入って、変な奴を見たことを言うと、残念そうな顔をして、気休めにしかならないだろうが、と言いながらお経をあげて娘の肩と背中をバンバン叩き出した。

住職が泊まってけというので、娘が心配だったこともあって、泊めてもらうことにした。

 

娘は「ヤマノケ」(住職はそう呼んでた)に憑かれたらしく、49日経ってもこの状態が続くなら一生このまま、正気に戻ることはないらしい。

住職はそうならないように、娘を預かって、何とかヤマノケを追い出す努力はしてみると言ってくれた。

妻にも俺と住職から電話して、なんとか信じてもらった。

住職が言うには、あのまま家に帰っていたら、妻にもヤマノケが憑いてしまっただろうと。

ヤマノケは女に憑くらしく、完全にヤマノケを抜くまでは、妻も娘に会えないらしい。

 

一週間たったが、娘はまだ住職のとこにいる。

毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。

ニタニタ笑って、なんともいえない目つきで俺を見てくる。

早くもとの娘に戻って欲しい。

遊び半分で山には行くな。

『ヤマノケ』怖い話シリーズ147

怖異 恐子
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ゆきキャベツ

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