祖父の葬式で起こった怖ろしい話・・・
『箱の中の少女』
私の祖父は腕の良い職人・・・
私は良く仕事場に出入りしたりしていました・・・
ある日、妙な物があることに気付き・・・
今回は怖ろしい怪談話『箱の中の少女』をお伝えします。
毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・
この世ならざる者・・・
人形とか家とか、いわく付きの物に憑く場合もあるって言いますけど・・・
そう言うたぐいのいわくって、何で憑いたのか・・・
最初のきっかけが気になったりしますよね・・・
そこには何か悲惨な出来事があったり・・・?
それでは怖い怖い怪談話・・・
『箱の中の少女』
どうぞお楽しみください・・・
※このお話は3分ほどで読むことができます。
『箱の中の少女』怖い話シリーズ120
十年以上前の話…。
当時、私の祖父は腕の良い職人でした。
私はそんな祖父の仕事ぶりを眺めるのが好きで、よく仕事場に出入りしていました。
ある日、私はいつものように祖父の家を訪れ、落ちている木切れを拾って遊んでいました。
祖父の仕事をしばらく見ていると、妙な物に気が付きました。
祖父の背後の壁に使い込まれて黒光りした木の板が何枚か立てかけてあったのですが、その板と板の隙間からおかっぱ頭の女の子の顔が覗いています。
板の隙間から白い顔の半分だけが、暗い部屋の隅にただ浮かんでいるかのように見えました。
私は作業をしている祖父の横を通り過ぎ、壁際へと歩み寄りました。
私が近づいても白い顔は微動だにせず、祖父の背中をジッと見つめていました。
やはり顔と体の左半分は見えませんが、壁と板の間に人が入れるような隙間はありませんでした。
私は少女に声をかけようとしました・・・
すると、その時・・・
「…話しかけたらあかんぞ。」
聞いた事のない低い声で祖父が言いました。
振り返ると祖父はかわらず作業を続けています。
「おじいちゃん、この子だれ?」
私は祖父に聞きました。
「そいつはな、俺がそこの木で作った箱の中におった女や。ええから放っとけ。」
言葉の意味は分かりませんでしたが、私はそこから離れ、また木切れで遊び始めました。
少し経って再び板の方を見ると女の子はいなくなっています。
それから、その女の子を見ることは一度もありませんでした。
十年ほどたった頃、祖父は病に倒れて入院をしましたが間もなく亡くなりました。
葬儀の当日、棺の中に入れるために祖父の思い出の品を集めました。
その中に小さな箱がありました。
10㎝角くらいの黒っぽい艶のある箱…
それを見た途端、あの時の黒い板が脳裏に浮かびました。
あの板で作られた箱じゃないか?
持ってみると意外と重い、振ってみましたが音はしませんでした。
祖母が言うには、祖父はこの箱をとても大切にしていて、病院でも枕元に置いていたと言います。
それでは、とその箱は祖父の頭の近くに置くことにしました。
やがて葬儀が始まりましたが、妙な事が起こりました。
お坊さんがしきりに棺を覗き込んだり・・・
「この人、本当に亡くなっていますよね?」
などと聞いたりしていました。
お経を読んでいる最中にも棺を気にしたり、お経が途中で止まりかけることが多々ありました。
葬儀は無事終わり、祖父は火葬場で焼かれました。
遺骨を拾う準備が整うと、職員が骨の部位を教えてくれます。
「頭蓋骨は蓋に使うので置いておいてください。」
「のど仏はどれですか?」
「のど仏は…これですね。」
そして暫く拾っていると・・・
「これはどこの部位ですか?」
「これは肋骨です。」
「これは…あれ、これって…。」
父がそう言うと、職員が答えます。
「これはのど仏…骨が多いですね…。」
それから警察が来たり、いろいろ聞かれたりと大変でした。
四十九日までには返してもらうと言う事で、遺骨は警察の方が預かることになりました。
私はどうしてもあの箱が気になりましたが、10cm角の箱は人の頭が入る筈もありませんし・・・
あの時みた少女が入っていたという可能性も考えましたが・・・
少女とはいえ頭が入る様な箱とは思えません。
何より、最初に箱を振ってみましたが音はしなかった。
結局、何もわからないまま遺骨は帰ってきました。
祖父の物でない骨は別の箱に入れられていました。
この骨はどうしても、あの女の子の物としか思えない私は、まだ残っていた祖父の仕事場に行きました。
そして黒い板を切り、釘で止めるような箱を作り、その骨を入れました。
この行為が正しかったのかは分かりません。
作った箱の中にいた少女・・・
外に出たかったのかもしれませんが部屋の隅の板の間にいて、祖父は話しかけるなと言った…。
祖父にその真相を聞けなかったため今も、その真相は分かっていません。
『箱の中の少女』怖い話シリーズ120
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