あなたは1993年に起こった、新興宗教団体の信者数十名が犠牲となった凄惨な事件をご存じだろうか・・・?
その恐ろしき事件とは・・・
『ウェイコ事件(別名:ブランチ・ダビディアン事件)』
アメリカテキサス州にある町に、とあるキリスト教系新興宗教団体の教団施設があった・・・
その施設には老若男女併せて、数百人の信者たちが共同生活を送っていた・・・
そんな彼らの元に1993年のある日、アメリカ政府の捜査機関のひとつである、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局・ATFの捜査官たちが訪れ、とある容疑で強制捜査を実施しようとした・・・
そこですんなり教団側に捜査が受け入れられれば良かったが・・・
教団の指導者は、その捜査を敵の攻撃であると断定・・・
当時の指導者と、その信者たちは激しい抵抗を示した・・・
その結果、教団側の信者のみならず、捜査に入った者たちにも犠牲者が出る凄惨な事態に発展・・・
さらにその出来事があったのちにはATFの捜査官だけではなく、アメリカ連邦捜査局(FBI)までもが乗り出した苛烈な包囲戦となり、双方共ににらみ合う膠着状態に陥ってしまった・・・
そんなにらみ合いから、数十日後・・・
最終的にこの出来事は子供を含めた数十人の信者たちが犠牲となる、凄惨な結末を迎えることになった・・・
さらに、この事件はこれだけにとどまらず、その2年後にはさらなる悲劇を招くことにもなってしまった・・・
※WARNING※
※『ウェイコ事件(別名:ブランチ・ダヴィディアン事件)』の記事は少々、長くなってしまうので複数回に分けてお送りしています。
これは第3回目の記事です。
※第1回目の記事はこちら!
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読むのが面倒な人は動画でどうぞだよ~!
【ウェイコ事件3】終わらない悲劇の連鎖【ブランチ・ダビディアン】
様々な懐柔策が模索された結果、数十人の子供たちと母親である女性信者数名を施設の外へ出すことに成功・・・
しかし、その後は成果らしい成果をあげられずに時間だけが過ぎていった・・・
そんな中、FBIは指導者デビッド・コレシュと信者たちとの離反を画策・・・
当時、コレシュの右腕的存在であったスティーブ・シュナイダー・・・
彼を使って、中の信者たちを教団から離反させようとした・・・
スティーブはデビッド・コレシュに自分の妻を奪われた経緯もあり、彼に対して恨みのひとつも持っていたとしても不思議ではなかった・・・
実際、FBIの説得によりスティーブがコレシュを裏切り、何人かの信者たちを引き連れ、外へ出てくることを承諾しているふしもあった・・・
これが成功すれば他の信者たちの動揺を誘うことにもなり、上手くすれば穏便な事件解決へと大きく舵が切られる可能性もあった・・・
しかしFBIの予想に反して、ここである目的を持った信者がひとり教団施設の外へ出てきた・・・
前回はこの辺まで伝えたわけだが・・・
中途半端なところで終わらせやがって、この~!!!
続きが気になってたんだから、さっさと始めなさいよ!
【ウェイコ事件】すれ違う捜査当局と教団・・・壊れた信頼関係・・・
初っ端から、いきなり暴れないでおくれよ、子ザルさん(汗)
それじゃ早速、始めていくぞい(汗)
それではとりあえずFBIの予想に反して突然、施設の外に出て来たと言う信者とは誰のことなのか・・・?
その信者の名前は・・・
『リビングストン・フェイガン氏』
一体、なぜ彼がこのタイミングで突然、表に出てきたのか・・・?
その辺についてから、伝えていこうと思うぞい?!
フェイガン氏自身の証言によると、どうやら彼の投降はデビッド・コレシュの指示によるもので、彼に外部との交渉役をやらせるつもりで表に出したようじゃ・・・
何とも言えないところではあるが、この動きから推察するに、もしかしたらFBIの説得により動いたスティーブによって、ブランチ・ダビディアン内部において、デビッド・コレシュへの不信感を募らせる信者が現れはじめたのかも知れない・・・
それにより信者たちの中で、デビッド・コレシュに不満をぶつける者まで現れはじめていたとしたら・・・?
それであれば事態打開のために、誰かを交渉役として派遣する動きが、ブランチ・ダビディアン側にあったとしても不思議ではない・・・
実はこれまでの教団とFBI側の交渉でデビッド・コレシュは、何とか自分が持つ宗教的思想を理解させようとする発言が目立っていたようじゃ・・・
終末が訪れるだの、ヨハネの黙示録に登場する7つの封印が、どうたらこうたらだのと・・・
そう言った話をコレシュは延々と繰り返していたそうじゃ・・・
おそらくこの時のデビッド・コレシュの考えとしては、自分が主張する終末思想が現実に起こるのだと言うことをFBI側に理解させ、それによって自分たちブランチ・ダビディアンが悪ではないことを知ってもらい、捜査当局側との歩み寄りを図ろうとしていたのではないかとも思える・・・
しかしまあ当然のことながらFBI側がまともに話を聞くはずもなく、コレシュの言葉に理解を示すこともなかった・・・
そこで彼はより具体的な説明をした上で交渉をする使者として、リビングストン・フェイガン氏を送り込んだ・・・
コレシュとしては、これで何とか捜査当局側と歩み寄れるはずだと信じ、状況が良くなることで教団内部の動揺も抑えられることを期待していたものと思われる・・・
しかし、残念ながら彼の期待に反してFBIは教団側に対して歩み寄りはおろか、交渉すらさせないと言った対応をしてしまったようじゃ・・・
教団施設の外に出て来たブランチ・ダビディアンの信者『リビングストン・フェイガン氏』は、この時の様子を次のように証言している・・・
【ブランチ・ダビディアン信者:リビングストン・フェイガン氏】
【リビングストン・フェイガン氏の証言】
教団を去る前にデビッドに会った・・・
彼は床に直に寝そべっていた・・・
私に教団の外に出るように言い、外部との交渉役になれと言った・・・
しかし、投降したあとは囚人と変わらない扱いだった・・・
囚人服と同じオレンジのつなぎを着せられた・・・
これ以降、話し合いの余地があると思ったことも、ご破算になった・・・
プロパガンダの一環として、(捜査当局に)録音をして欲しいと頼まれた・・・
そんなことはゴメンだった・・・
引用:A&E Television Networks『カルト教団:ウェイコ事件の真相 -狂気 or メシア-』より
フェイガン氏を送り込んだ教団側は、その後、投降した彼と話をさせろと要求したようだが、FBI側はそれすらも拒否したと言う・・・
何とも言えないところではあるが、ここに来てのこの対応はFBI側と教団側との亀裂を修復不可能なまでに広げてしまう結果になってしまったのではないかと思われる・・・
実際、フェイガン氏投降後の教団側ではデビッド・コレシュのみならず、ネゴシエイターを介して離反の説得をしていたスティーブ・シュナイダーまでもが・・・
「捜査当局の言うことは、もう信用しない・・・」
と言ったような発言をする事態に陥ってしまったようじゃ・・・
これでFBI側が画策していた離反工作もご破算じゃ(汗)
おそらくブランチ・ダビディアン側では・・・
「せっかくひとりの信者を派遣し、それにより歩み寄りを図ろうとしていたにも関わらず、話し合いはおろか、その信者の生死すら解らない状況になってしまった・・・」
「下手をすると投降した彼(リビングストン・フェイガン氏)は、すでに殺されているかも知れない・・・」
そんな思いを抱いてしまい、そのような酷い対応をする捜査当局を信じることは出来ないと、コレシュのみならず教団信者たちの多くも判断してしまったものと思われるの~(汗)
FBI側としてはこの時、教団側と外に出てきたフェイガン氏が何らかの話をすることで、何か悪い事態を招くことを恐れたのかも知れない・・・
しかし、むしろこのことにより、ブランチ・ダビディアン内部で起こり始めていた信者たちの離反の芽が、完全に摘まれることにもなってしまったようじゃ・・・
生き残った信者の証言によれば、この時、デビッド・コレシュは教団信者たちに向かい・・・
「外に出たら、まずは刑務所に入れられ、そして最悪は殺される・・・」
と言ったようなことを語ったようじゃ・・・
さらに同時に、もうひとつ・・・
「天に召されることで、神に救われる道もある・・・」
と言う主張を展開し、実に危うい道を信者たちに示したとも言う・・・
実にカルトらしいとんでもない考え方だが、このデビッド・コレシュの話に、この時、信者たちの多くが希望を持ったと言う・・・
信者たちは外に出たリビングストン・フェイガン氏が生きているのか死んでいるのかすら、解らなくなった状況を目の当たりにした・・・
それによって、素直に捜査当局に投降しても助からないと思い込んでしまった・・・
そんな絶望的な状況に立たされた信者たちに向かい、デビッド・コレシュは神に救われる希望の道を示した・・・
これはすなわち、最後まで教団施設にとどまることで殉教者となり救済される道を説いたと言うこと・・・
実はブランチ・ダビディアン内部では、ここまでの間、信者たちの中でどうしても外に出たいと言う者がいれば、デビッド・コレシュは教団を離れる許可を与えていたと言う・・・
基本的にほとんどの信者たちは教団施設にとどまることを希望していたようなので、それほど数は多くないが、実際にひとり包囲の最中、デビッド・コレシュに相談をした上で外へ出て来た信者もいたようじゃ・・・
その信者とは、先にも証言者として紹介した・・・
『キャット・シュレイダー氏』
彼女はFBIからもたらされる情報により、自らの3歳の息子が外にいる父親の保護も受けられぬまま一人きりと言う、とても可哀想な状態であると聞かされたようじゃ・・・
そのことで子供への情が、神への信仰心を上回ることになり、彼女はどうしても子供に会いたくなってしまった・・・
そこでデビッド・コレシュに相談し、外へ出る許可をもらい包囲戦が展開されている最中の教団施設を離れたと言う・・・
この例を見る限り、デビッド・コレシュはここまでの間、彼の言葉通り本当に信者たちに対し監禁や拘束をしていたわけではなく、個々の信者が希望すれば外に出ることをすんなりと許していたようじゃ・・・
このことから推察するに、この時点では何とか信者たちひとりひとりに対して説得さえ出来れば、各信者が自らの意思で教団施設から出ると言う選択をさせる道がFBI側には残されていたものと思われる・・・
しかし、リビングストン・フェイガン氏の一件があったことによって、それ以降、その道が完全に閉ざされることになってしまった・・・
ボタンの掛け違いと言うのかのぉ・・・
こうなるともうブランチ・ダビディアン側との交渉を進めようにも、FBI側が何を言っても指導者デビッド・コレシュはもちろんのこと、信者たちの誰ひとりとして聞く耳を持ってもらえなくなってしまうだろう・・・
まあFBI側にも考え合ってのことだとは思うが、リビングストン・フェイガン氏に対する対応・・・
特に彼と教団施設内にとどまる者たちとの交流を絶ち、ブランチ・ダビディアン側から見て安否不明としてしまったことは、結果として捜査当局側の痛恨のミスとなってしまったような気がするの~・・・
事実、その後の交渉はことごとく決裂し、平行線のまま包囲32日目を迎えてしまった・・・
そして、ここでしびれを切らした捜査当局側は、さらにひとつの発表をおこなったようじゃ・・・
「この状態に決着をつける・・・」
ひと言で言えば、このような発表を捜査当局側はおこなったようだが、これは要するに強硬策を実行し、強引に解決を図る旨の表明がFBIからなされたと言うこと・・・
この時はまだ、どのタイミングで実施されるかは決まっていなかったようだが、近いうちに何らかの大きな動きをすることをFBIは報道関係者の前で示唆したわけじゃ・・・
あとはいつ実行するか・・・?
そのタイミングを図るだけの段階だったものと思われ、ついに終わりの時が近づくことになった・・・
いよいよ救いのない展開に突入するわけか~(汗)
何だかいろんなことが起こっており、何かが少しづつ変わっていたら、もしかしたら違った結果になっていた気もするねぇ・・・
だけど、こうなるもう悲劇は避けられそうもない気もするけど・・・
教団施設の中には、多数の子供もいたんだよねぇ?
何か平穏無事に事件を解決する、打開策とかはなかったのかなぁ?
【ウェイコ事件】生存へのラストチャンス・・・聖書学者2人により悲劇の回避が試みられたが・・・
そうじゃの~・・・
もうすでに過去の事件となっているため、結果は出てしまっているわけだが・・・
実は最終的な悲劇の結末が訪れる前に、ウェイコ事件についての報道を見ていたと言う、とある者たちの活躍によって、わずかではあるがブランチ・ダヴィディアン信者たちが助かる道が開きかける出来事が起こっていたようじゃ・・・
ここからその辺のついて、伝えていこうと思うぞい?!
まずもしもFBIが強硬な策に出れば、またATF強制捜査失敗の時のように双方共に多数の死傷者が出る事態を招く可能性も考えられた・・・
そのことは捜査当局側も十分、理解していたはずじゃ・・・
しかし、もう待ってはいられなかったのだろう・・・
FBI側はこの時点で、一気に片を付ける方針に完全に切り替わってしまっていたようじゃ・・・
そのような状況の中、ここでウェイコ事件についてのFBI発表の報道を見ていた、2人の聖書学者がいた・・・
その聖書学者とは・・・
『フィル・アーノルド氏』
『ジェームズ・テイバー氏』
彼ら2人は何とかウェイコで起きようとしている、最悪の事態を避けるべく行動したと言う・・・
【聖書学者:フィル・アーノルド氏】
【聖書学者:ジェームズ・テイバー氏】
その辺の経緯としては、まずフィル・アーノルド氏はこの当時、ラジオで放送されていたキリスト教関連の番組に出演する予定であったことを思い出したそうじゃ・・・
そのことを思い出した彼は友人である、同じ聖書学者のジェームズ・テイバー氏に相談した・・・
その結果、彼らはひとつの打開策を思いついた・・・
その打開策とは・・・
「ブランチ・ダビディアンの指導者と信者たちに、安心感と達成感を与えることで大人しく投降させる・・・」
と言うもの・・・
実は当時、ウェイコ事件が起こっている際、教団施設の窓には・・・
『神は救う・・・記者求む・・・』
と書かれた横断幕が貼られていたようじゃ・・・
その横断幕はテレビの生中継で全米中に放送されており、それをフィル・アーノルド氏は見たそうじゃ・・・
【ウェイコ事件発生時、教団施設に掲げられた横断幕】
「ブランチ・ダヴィディアンの指導者と信者たちは、外部へ自分たちの思想を届けたがっているのではないか・・・?」
そう感じた彼は友人であるジェームス・テイバー氏に相談をして、2人でラジオ番組に出演することを決めた・・・
そこで彼ら2人はラジオ番組を通じて、まずはブランチ・ダビディアンの思想に理解を示す発言をし、その思想を本にまとめて出版したらどうかと提案をしたと言う・・・
より具体的には、次のようなことを伝えたようじゃ・・・
「外の世界は決して敵ばかりでもなく、悪いことばかりでもない・・・」
「ちゃんと理解者がいるのだから、大人しく投降した上で自分たちの思想を正々堂々と主張することも出来る・・・」
「本にまとめておけば、すぐには難しくとも、いつの日かおおやけに公表出来る日も訪れ、理解者を増やすことにも繋がるだろう・・・」
「自分たちはブランチ・ダビディアンの思想に理解を示している・・・」
「出来ることがあれば、協力も惜しまない・・・」
簡単に言うと、こう言ったことを伝え、それによって安心して教団施設から出て来てもらおうとしたわけじゃ・・・
もちろん、こんなことが上手く行くかは解らない・・・
そもそも教団施設内でデビッド・コレシュが、そのラジオ番組を聴いているかどうかすらも怪しい・・・
なので、これはひとつの賭けだったそうじゃ・・・
しかし、なんとこの番組が放送されたのちにFBIを通じて、彼ら2人の聖書学者宛てにデビッド・コレシュの手紙が届いたそうじゃ・・・
そこには彼の言葉で・・・
「待つ時間は終わった・・・」
「神の言葉を伝える本を書き終えたら、外に出る・・・」
と言った旨の内容が書かれていたそうじゃ・・・
どうやら彼ら2人の聖書学者がラジオを通じて語ったメッセージの意図は、教団側に上手く汲み取られたようじゃ・・・
さらには理解を示されたことがよほど嬉しかったのか、執筆した本は売るためではなく聖書学者2人に託してくれとデビッド・コレシュは、こののちにFBIに頼んでいたようじゃ・・・
ちなみにこの辺の本が書き上がり次第、教団側は大人しく投降すると言う話については、フィル・アーノルド氏とジェームズ・テイバー氏が揃って、テレビの生中継で語ったため、全米中の人たちにも伝わることになったようじゃ・・・
こうして本が完成した暁には、コレシェ含めブランチ・ダヴィディアンの信者たちは素直に投降することを約束した・・・
テレビの生中継によって、ことの経緯を知ったアメリカ国民の多くも、これで最悪の事態を回避した上で、何とか穏便に事件の解決が図られるものと思っていたようじゃ・・・
かなり救いのある展開なんじゃないの~?
教団側とFBI側の信頼関係は、リビングストン・フェイガン氏の一件以来、完全に壊れてしまいどうにもならない状況に陥っていた・・・
そんな中、2人の聖書学者が理解を示す発言をしたことで教団側の信頼をえた・・・
その上で、落としどころを提示して見せたと・・・
すると教団側もその提案に乗って、自分たちの思想を本にまとめた暁には素直に投降することを約束した・・・
この展開を見ると、何と言うか事件解決のためにはただただ追い詰めるのではなく、とりあえず嘘でも何でも良いから、まずは外に出ても安心だと思わせることが鍵だったのかも知れないねぇ・・・
それじゃあさあ、何だかこれで上手く平和的に解決しそうな感じなのに、なんで最後には悲惨な結末に陥ってしまったのかなぁ?
【ウェイコ事件】FBIによる強硬策・・・その決定プロセスで浮上した捜査当局に対する疑惑とは・・・?
そうじゃの~・・・
たしかに2人の聖書学者の行動によって、教団側は本が書き上がり次第、大人しく投降することを約束していた・・・
さらに残されたネゴシエイターとデビッド・コレシュの会話の音声データによれば、FBI側もそれを了承するような素振りで話が進んでいた・・・
前回と違い、今回は電話による口約束だけではなく、本が書き上がった暁には素直に投降するとの約束を、手紙と言う形で残しているところを見ると、おそらく教団側としても今回はキチンと約束を守るつもりでいたものと思われる・・・
それであれば、あとは本の完成を待ち、平和的に信者たちが投降するのを待つだけだったはず・・・
しかし残念ながら、結果は悲劇的なものとなってしまった・・・
一体、なぜそのようなことになってしまったのか・・・?
ここからその辺について、伝えていこうと思うぞい?!
まず結論から言ってしまうと、どうやら今回は教団側ではなく、FBI側が約束を反故にしてしまったようじゃ・・・
この時、FBIは教団側に対し交渉の中で、彼らの申し出を了解するような素振りは見せていた・・・
しかし本心ではデビッド・コレシュが一度、交わした約束を破ったことから、今回もまた口からでまかせを言って時間稼ぎしたいだけで、どうせ最後には約束を反故にするものと判断したようじゃ・・・
さらに当時の捜査関係者の話によれば、どうやら本の原稿を書いているというのも、嘘に決まっていると判断していたと言う・・・
いずれにしても、このFBI側の判断によって悲劇の幕が上がってしまった・・・
包囲開始から50日目となる、1993年4月18日・・・
まずFBIは強行突入の準備として、戦車を使って教団施設周辺の邪魔になりそうな瓦礫を撤去した・・・
その後、事件当時、アメリカの司法長官だった『ジェネット・レノ氏』の判断で、FBIによる強硬策実施が決定された・・・
【ウェイコ事件当時の司法長官:ジャネット・レノ氏】
つまり彼女がノーと言えば、いくらFBIが強硬な手段に出たがったとしても、策を実施することが出来ないと言うことじゃ・・・
そしてこの点に関してなのだが、この決定が下されるプロセスにおいて事件後、捜査当局側が批判される原因ともなった、重大な事実が発覚し、それに関連して、ある疑惑も囁かれたと言う・・・
一体、どう言うことなのか・・・?
まず公式記録によると、どうやら司法長官ジャネット・レノ氏が強硬策決定の最終判断を下す際、FBI側と教団側でどのような内容の交渉がおこなわれていたのか・・・
それがまったく彼女には伝わっていなかったようじゃ・・・
つまりデビッド・コレシュはこの時、7つの封印についての本を執筆しており、その本が書き上がり次第、投降すると約束をしていた・・・
FBI側も、それを了承するような形で話が進んでいたわけだが・・・
これが伝わっていなかったと言うこと・・・
その他、こまごました要求と、それらの要求が通れば素直に投降する旨が記された手紙・・・
これもFBI側は教団から合意の証しとして受け取っていたようだが、その手紙もジャネット・レノ氏には渡されていなかったようじゃ・・・
このような事実が発覚したことで、のちにFBIに対する疑惑が浮上することにもなったと言う・・・
その疑惑とは・・・
「もしかしたらFBI側はこの時、意図的に教団側との交渉内容や要求を、ジャネット・レノ氏に報告しなかったのではないか・・・?」
「さらにFBIは自分たちの都合の良いことばかりを大げさにレノ氏へ報告することで、彼女を騙して強硬策実施を決定するよう誘導したのではないか・・・?」
と言うもの・・・
事実、のちに開かれた議会公聴会に提出されたウェイコ事件についての公式記録によれば、FBIはこの時、彼女に対して・・・
「とにかくこれ以上、時間を費やせば、中にいる子供たちが虐待されるのだ・・・」
と言うことを熱心に力説し、強硬な策に出るしかないと言った報告を執拗なまでに何度も何度もしていたようじゃ・・・
しかしこの報告の中には、デビッド・コレシュとの合意については、まったくひと言も触れられてはいなかった・・・
このFBIからの報告を受けた、ジャネット・レノ氏は・・・
「時間を費やせば、児童虐待に繋がる・・・」
とのFBIからなされた報告書の通りの見解を記者発表の場で発言し、強硬策実施を了承するに至った・・・
これらのことから事件後、さらなるFBIへの疑惑として・・・
「ウェイコ事件において、捜査当局は人命よりも早期の事件解決を優先させたのではないか・・・?」
と言ったようなことが語られ、かなり批判されたりもしたようじゃ・・・
では一体、なぜFBIは人命よりも、事件の早期解決を優先させたのか・・・?
実はこのウェイコ事件が起こる3ヶ月ほど前から、当時のFBI長官『ウィリアム・セッションズ氏』に対する、ある疑惑と反発が世間に巻き起こっていた・・・
そのためにセッションズ氏は連日マスコミからの袋だたきにあっており、FBI長官を解任されるのも時間の問題だと見られていたようじゃ・・・
そんなただでさえマズイ立場に置かれていた、セッションズ氏・・・
世間の注目度も高い、このウェイコ事件が長引けば長引くほど・・・
それはイコール、自らの無能さを露呈することになり、さらに立場が悪くなる・・・
それを回避するためには、早期の事件解決を目指すしかない・・・
だから策を弄してジェネット・レノ氏を騙してまでもFBIは強硬策を実施したがり、その結果、人命よりも早期の事件解決を優先させることになってしまったのではないか・・・?
と言うわけじゃ・・・
【ウェイコ事件当時のFBI長官:ウィリアム・セッションズ氏】
事実関係が確認された部分だけを見ても、少々、この時のFBIの対応は問題ありな感じがするの~・・・
強硬策に打って出ると言う決定内容については、ここまで膠着した状態が続いている中において、まあ選択肢のひとつとして選ばれてしまう可能性は理解できる部分もある・・・
しかし、それが決まっていくプロセスにおいて、正確な情報を国の代表である政治家に伝えていなかったと言うのは、とんでもない話じゃ・・・
FBIのトップであったとは言え、セッションズ氏は言うなれば、たかがいち行政機関の役人・・・
国の代表である政治家の判断が、そんなたかがひとりの役人の保身から出た思惑によって、決められることになってしまったとすれば、かなり問題があるような気がするの~・・・
政治家が決める、あらゆる意思決定のプロセスにおいて、必要な情報を意図的に役人が隠し、それにより国の方向性が決まってしまう・・・
この場合はひとつの事件を巡る案件であるので、影響を及ぼす範囲としては極めて狭いが、これがもしも法律や税制を決定するような場面であった場合、多くの国民に多大な影響を及ぼすことになる・・・
たとえばの話だが、仮に消費税増税をするかどうか決める場面において、情報を意図的に隠すことで、たかが役人の思惑通りに政治家の意思決定が誘導されたとすれば・・・
それはかなり問題があるじゃろう(汗)
場面は違えど、これと同じようなことが、この時に起こっていたことになるわけじゃ(汗)
これについては国民のみならず、当時、アメリカの政治家たちもかなり激怒したようじゃ・・・
事件後におこなわれたアメリカの議会において、当時、野党であった共和党の議員の中からはFBI長官であったウィリアム・セッションズ氏のみならず、その他幹部に対しても・・・
「明らかな越権行為だ!」
として、猛烈に名指しで批判する者が多数現れたようじゃ・・・
さらには野党であった共和党のみならず、与党民主党内部からもかなりの批判の声が上がってしまったようじゃ・・・
そのことから事件後におこなわれた記者会見の場において、強硬的な策の実施を決めた司法長官『ジェネット・レノ氏』までもが・・・
「あの強硬的な施設への攻撃は誤りであった・・・」
として、公式に謝罪する事態にまで発展してしまった・・・
この辺についてはまたのちほど伝えていくとして、とりあえず話を続けていくが、いずれにしてもFBIはこの時、教団施設への強硬的な策を実施したがっていた・・・
そこで策を弄して正確な事実を隠したまま、当時の司法長官ジャネット・レノ氏に強硬策の最終決定を迫った・・・
それにより、こののちFBIの思惑通り強硬策が実施されることになった・・・
【ウェイコ事件】ついに始まる恐怖の瞬間・・・彼らの死は殉教か・・・?それとも・・・?
包囲開始から51日目となる、1993年4月19日・・・
その日の午前6時頃・・・
まずFBIのネゴシエイターを介して、今から催涙ガス弾を施設内に投入するとブランチ・ダヴィディアン側に警告を発したそうじゃ・・・
「もう交渉はしない・・・」
「まだ突入はしないが、今から施設内に催涙ガス弾を投げ込む・・・」
「両手を挙げて大人しく投降しろ・・・」と・・・
その約10分後、FBIは2台の戦車を使って、教団施設の壁に強引に突入し穴を開けた・・・
そこから刺激物が含まれる、かなり強烈な威力の催涙ガス弾が投げ込まれたようじゃ・・・
この時、教団施設の中にいたブランチ・ダヴィディアン信者『グレアム・クラドック氏』の証言によれば、教団側では事前に全員分ではなかったものの、いくつかのガスマスクを用意していたため、何人かの大人についてはそれを装着することで何とか耐えることが出来た・・・
しかし子供はサイズが合わなかったため、上手く装着することが出来ず、見るに堪えないほどの酷い状態に陥っていたと言う・・・
【ブランチ・ダヴィディアン信者:グレアム・クラドック氏】
その辺の使用された催涙ガス弾、そして包囲されている教団施設内の詳しい状況については、このウェイコ事件の闇とされる部分を知る上で、重要な鍵ともなるので、のちほど改めて伝えていくが・・・
このような強烈な威力の催涙ガス弾は約6時間掛けて、合計93発投げ込まれた・・・
さすがにこれであればブランチ・ダヴィディアン信者たちも耐えることが出来ず、たまらず教団施設の外へ出て来るかに思われた・・・
しかし信者たちは、このような地獄の苦しみが続く、教団施設から出て来ることはなかったようじゃ・・・
そしてそののち、悲劇的な運命の瞬間が訪れることになった・・・
その日の正午12時頃・・・
ガスで充満する教団施設内から突如として一筋の白い煙が上がり、その直後、その周辺から火の手が上がった・・・
その火は瞬く間に燃え広がり、あっという間に施設全体が激しい炎に包まれてしまったようじゃ・・・
【炎上するブランチ・ダヴィディアン教団施設】
先ほどのブランチ・ダビディアン信者『グレアム・クラドック氏』は、この時の様子を次のように証言している・・・
【ブランチ・ダヴィディアン信者:グレアム・クラドック氏】
(教団施設の)礼拝堂にいた私は、息をしようと必死だった・・・
すると上の階から火事だと聞こえてきた・・・
礼拝堂にも火の手が回ったため、急いで避難をした・・・
外へ脱出すると、中にいる仲間の悲鳴が弾丸のように耳に突き刺さった・・・
裏口まで炎が達し逃げ場を失った・・・
給水塔の別館が目に入った・・・
炎に強いコンクリート性の小さな空間・・・
そこへ急いで逃げ込んだ・・・
熱風がのどを焼き付け、ほとんど息ができなかった・・・
その時、なぜか銃を手にしていたが、それを見て、これで自分の人生を終わらせるのだと思った・・・
しかし、出来なかった・・・
(その後は)炎がおさまるまで、給水塔でじっとしていた・・・
それから3時間後、私は外に出た・・・
そこをFBIの人間に発見され拘束された・・・
私も焼け死ぬべきだった・・・
引用:A&E Television Networks『カルト教団:ウェイコ事件の真相 -狂気 or メシア-』より
教団施設の出入り口に近いところにいた信者数人は、その炎から逃げるように命からがら表に出て来たようだが、ほとんどの者たちはそのまま施設に残り続けたと言う・・・
炎が収まった時には、教団施設のほぼすべてが焼け落ち、その現場からは最終的にデビッド・コレシュを含む76名もの信者たちの丸焦げになった遺体がみつかった・・・
冒頭でも伝えたように、その内、23名は幼い子供たちだった・・・
事件後、そのおびただしい数の遺体は司法解剖にて調べられたようじゃ・・・
その結果、デビッド・コレシュの遺体には額に銃撃の跡が発見され、彼の右腕であったスティーブ・シュナイダーも胸の辺りに同じく銃撃の跡が見つかった・・・
この2人は遺体が発見された場所も近かったことから、どうやらコレシュとスティーブはお互いに撃ち合うことで自殺を図ったか、あるいはどちらかが先に相手を撃ち殺し、その後自分も自殺したものと見られている・・・
その他の信者たちに関しては銃撃の跡があった者と、そうでない者たちがいたようじゃ・・・
銃撃の跡が無かった信者たちについては、おそらく猛烈な早さで燃え広がる火の手から逃げる間がなかったのか・・・?
あるいは自分の意思でその場に残ったのか・・・?
それとも他の何らかの理由により、逃げることが出来なかったのか・・・?
その辺については不明だが、いずれにして最終的に炎と煙に取り囲まれてしまい、そのまま命を落としたものと見られている・・・
逆に銃によって命を落としたと見られる信者たちについては、激しい炎に晒される苦しみから解放されるために自ら銃で自殺を図ったか・・・
もしくは自分から殺してくれと懇願し、誰かに撃ってもらったか・・・
捜査当局側からは強引に道連れとして、撃ち殺されてしまったのだとの主張がなされていたりもする・・・
しかし、その真相については、今となっては明確には解らないようじゃ・・・
さらに教団施設の中にいた23人の子供たちについては、いずれも頭部あるいは胸など、身体のどこかしらに銃撃の跡があったことから、炎によって命を落とす前に撃ち殺されたものと見られている・・・
ちなみにこの火の手が上がった原因についてだが、FBIが投げ込んだ催涙ガス弾が火元となって、教団施設に燃え広がったのではないかと言う説が事件後に取り沙汰されたようじゃ・・・
そしてこれによっても、捜査当局側が批判されることにもなった・・・
しかし、この催涙ガス弾は可燃性の物ではなかったとの主張がFBIからなされており、この説については明確に否定されている・・・
その他の説としてはブランチ・ダビディアン側により、わざと教団施設に火を放ち集団自殺を図ったとする説もある・・・
しかし、これについては生き残った信者たちの中で、そんなことはしていないと明確に否定する者と、最後には施設に火を放つ予定であったのだと言う者の両方が現れてしまった・・・
つまり説を肯定する証言と、否定する証言の両方が現れてしまったと言うことじゃ・・・
そのため、この説についてはどちらなのかハッキリ解らぬままとなっている・・・
さらにもうひとつ、教団側が窓から可燃性の燃料を撒き、それに火を付け、迫り来る捜査当局側の戦車に対抗しようとした・・・
しかし、それが誤って施設に燃え広がってしまったとする説もある・・・
何とも言えないところではあるが、現在はこの説が一番、有力なのではないかと言われている・・・
しかし、どの説もハッキリと確認されたわけではないため、いまだに火災についての真相は明確には不明のままとなっており、論争が続いている状態じゃ・・・
いずれにしてもこうして教団施設は焼け落ちてしまい、その焼け跡にはおびただしい数にのぼる信者たちの遺体が、足の踏み場もないほどに散乱していたようじゃ・・・
【焼け落ちたブランチ・ダビディアン教団施設から発見された遺体】
【FBI人質救出部隊:ジム・マギー氏】
【ジム・マギー氏の証言】
いたるところに遺体があり、歩くのも困難だった・・・
足を踏み出せば、骨を踏んでしまう・・・
何ともおぞましい光景が広がっていた・・・
残ったコンクリートの建物に40体ほどの遺体があった・・・
大半が子供の骨だった・・・
私自身を含め、誰もが心を痛める状況だった・・・
つらかったよ・・・
引用:A&E Television Networks『カルト教団:ウェイコ事件の真相 -狂気 or メシア-』より
最終的にこのウェイコ事件では、ATFの強制捜査の際に6名が死亡し、その後の包囲戦で76名が死亡・・・
合計81名ものブランチ・ダビディアン信者が犠牲となると言う、凄惨な結末を迎えることになった・・・
この事件は始まりから終わりまで、本当に壮絶な展開が巻き起こっていたんだねぇ・・・
何と言うか、もう少し・・・あと少し・・・
何かが違っていたら、もしかしたら平和的な事件解決に繋がったかも知れないって気もするねぇ・・・
何にしても、亡くなった人たちの冥福を祈るしかないねぇ・・・
それじゃあさあ、何やら最初の方で、このウェイコ事件が起こったのちに、さらなる悲劇が~!とかって言ってた気がするけど・・・
一体、何が起こったって言うの~?
事件後に何かが起こりそうな感じは、全然しないんだけど?
【ウェイコ事件】終わらない悲劇の連鎖・オクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件・・・
そうじゃの~・・・
それではここから、このウェイコ事件に関連して起こってしまったとされる、さらなる悲劇的な事件について伝えていこうと思うぞい?!
その事件が起こったのはウェイコ事件から、ちょうど2年後の1995年4月19日・・・
事件が起こった場所はアメリカ・オクラホマシティーにあった・・・
『アルフレッド・P・マラー連邦ビル』
『オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件』
事件当時、このビルにはアメリカの行政機関である社会保障局(SSA)、麻薬取締局(DEA)など連邦政府の出先機関が入居していた・・・
ちなみにウェイコ事件の発端となった強制捜査をおこなった、ATFの出先機関も、このビルに入居していた・・・
その他、アメリカ陸軍及び海兵隊の入隊事務所なども入っており、当時は約550人の職員がこのビルで働いていたと言う・・・
そんな大勢の職員が働いていた連邦ビルの正面玄関前には、その日、朝から1台のトラックが停まっていたそうじゃ・・・
特に外観に怪しいところがあったわけではない、ごく普通のトラック・・・
当然、連邦ビルで働く大勢の職員も周辺にいた人々も、そのトラックを気にも止めてはいなかった・・・
が、しかし・・・事件当日の午前9時2分・・・
トラックは突然、轟音をとどろかせながら大爆発を起こした・・・
実はこの時、そのトラックの荷台には大量の爆発物が満載されていた・・・
事件後になされた当局の発表によると、その爆発の規模はマグニチュード3.2相当と測定されており、そんな大爆発が起こった結果、連邦ビルはそれに巻き込まれる形で、実にその8割方が吹き飛んでしまったと言う・・・
以下が爆発に巻き込まれてしまったあとの、連邦ビルとその周辺の写真じゃ・・・
【爆発で破壊されたオクラホマシティ連邦政府ビル】
事件後に確認された人的被害としては・・・
当時、連邦ビルの託児所に預けられていた職員の子供19人を含む、168名が死亡・・・
その他、爆発に巻き込まれた周辺の住民なども含め800名以上の負傷者が出ており、その中にはかろうじて命は助かったものの、その身体には重度の後遺障害が残ってしまった者も多数いたと言う・・・
その被害の大きさから、この事件は2001年9月11日に発生した『アメリカ同時多発テロ事件』が起こるまでは、アメリカ国内において最大最悪のテロ事件として記録されていたそうじゃ・・・
事件発生当初は明確な犯行声明などが出ていなかったため、犯人はネオナチやイスラム過激派ではないかと推察されたようじゃ・・・
それにより実際にオクラホマシティ周辺に住んで居た、アラブ系アメリカ人を含む中東系の人物約数十人が、一時警察に身柄を拘束されたと言う・・・
しかし事件の捜査が進むについて当初、考えられていた犯人像とはまったく違う人物が逮捕されることになったようじゃ・・・
この事件の容疑者として逮捕されたのは、アメリカ国籍を持つ白人男性・・・
「ティモシー・マクベイ容疑者・・・」
「テリー・ニコルズ容疑者・・・・」
【事件の首謀者:ティモシー・マクベイ容疑者】
【共犯者:テリー・ニコルズ容疑者】
その他、この爆破事件には関与していなかったものの、その計画自体があることを知っていたのに通報しなかったとして・・・
「マイケル・フォティア・・・」
と言う名前の、白人男性1名も逮捕されている・・・
逮捕直後は一体、なぜこのようなことをしたのか・・・?
その理由についてがハッキリとせず不明だったようだが、その後、取り調べが進むにつれて、その驚くべき犯行動機が明らかとなっていったようじゃ・・・
首謀者であったティモシー・マクベイ容疑者が自供した内容によれば、その犯行動機は・・・
「2年前に起こったウェイコ事件においての、ブランチ・ダビディアンに対する連邦政府の非道なおこないへの報復・・・」
だったようじゃ・・・
どうやら、このオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の犯行動機は、一連のウェイコ事件で死亡したブランチ・ダビディアン信者たちの恨みを晴らすための復讐であったようじゃ・・・
実はウェイコ事件が起こっていた当時、教団側とFBI側とのにらみ合いが続く中・・・
ブランチ・ダビディアンに対する捜査当局の対応は不当だとして、このティモシー・マクベイ容疑者も包囲戦が展開されている最中の現場に直接赴き抗議の声をあげていた・・・
事件当時の現場に来ていたテレビ局のカメラには、マクベイ容疑者が取材を受ける様子なども残っており、どうやら彼はその頃からずっとブランチ・ダビディアンに対する政府の対応に怒りを覚えていたようじゃ・・・
【ウェイコ事件発生時の現場にて、テレビの取材を受けるティモシー・マクベイ容疑者】
そこで彼は、このような悲劇的な結末を迎えてしまった原因は、ブランチ・ダビディアンを追い詰めた捜査当局の対応にあると判断し激しい怒りを抱いた・・・
その怒りの矛先は、いつしか捜査当局の上に位置する連邦政府に対して向けられることになった・・・
その結果、多数のブランチ・ダビディアン信者が亡くなったのと同じ日に、オクラホマシティの連邦ビルを爆破すると言う事件を起こすにいたったと言うわけじゃ・・・
ティモシー・マクベイ容疑者が語った犯行動機を、もう少し具体的にまとめると次のような感じだったようじゃ・・・
【ティモシー・マクベイ容疑者:犯行動機】
ウェイコ事件において政府が国民に対して、大きな嘘をついた・・・
事件で死亡したブランチ・ダビディアンたちは、政府が発表したような重大な罪など犯していない・・・
ブランチ・ダビディアンに対する攻撃は、アメリカ合衆国連邦政府の横暴である・・・
彼らが死ななければならなくなった原因は、政府の機関であるATFの不当な強制捜査に始まり、その後、FBIの嘘とでっち上げに塗り固められた、許されざる破滅的攻撃によるものである・・・
特に大勢の子供たちが立てこもる教団施設内に、酷い苦痛を与えてしまう催涙ガス弾を何十発も打ち込んだことは万死に値する・・・
何の罪もなかった彼らブランチ・ダビディアンの指導者と信者たちは、連邦政府の手先であるATFとFBIから受けた不当な弾圧と攻撃により、最後には追い詰められ死ぬこととなった・・・
これは明らかな連邦政府による犯罪であり、虐殺である・・・
今回おこなった一連の攻撃は、彼らブランチ・ダビディアンたちの無念を晴らすべく、おこなわれた報復である・・・
たしかに見方によっては強制捜査をおこなったATFや、その後の包囲戦を繰り広げたFBIは、不当な弾圧者であったと見ることも出来るかも知れない・・・
しかしだからと言って、このような報復の仕方によって、多くの人命を奪うテロ行為が正当化されるはずもない・・・
最終的に、この事件で逮捕された3人の容疑者には、のちにおこなわれた裁判で重い刑罰が言い渡されたようじゃ・・・
首謀者として犯行に関わったティモシー・マクベイ容疑者には11の連邦法違反と、8つの第一級殺人罪により、事件が起こったのと同じ年の10月20日にアメリカの連邦裁判所にて死刑判決が下された・・・
そして事件から約6年後の2001年6月11日、インディアナ州テレホートの連邦刑務所で薬物による死刑が執行された・・・
ちなみに彼は死刑執行前の最後の晩餐として、チョコチップが入ったミントアイス1キログラムを希望し、残さずすべて食したようじゃ・・・
共犯として裁判に掛けられたテリー・ニコルズ容疑者は、第一級殺人罪は免れたものの、それに準ずる犯罪を犯したとして仮釈放なしの終身刑が言い渡された・・・
その後、彼はコロラド州フローレンスにある連邦刑務所に送られ、今現在も囚人として服役中じゃ・・・
テロの計画を知っていたのに通報しなかったと言う理由で逮捕された、マイケル・フォティア容疑者については当初、かなり長い期間での懲役刑で起訴される予定であったが、他2人の容疑者に対する証言を裁判でおこなうことの見返りに減刑する、との検察側との司法取引によって、最終的に懲役12年の刑が言い渡された・・・
刑期を終えたフォティア容疑者は現在は釈放され、一般人として普通の生活を送っているようじゃ・・・
ちなみに事件の首謀者となったティモシー・マクベイをはじめとした容疑者3人とブランチ・ダビディアンの関係についてだが、ウェイコ事件が起こる前も後も、特に彼ら3人と教団との間には何か接点があったと言うわけではなく、何の関係性もなかったようじゃ・・・
つまり、このオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件に関して、ブランチ・ダビディアンの信者が関わったと言ったような事実は一切なく、まったくの無関係であったわけじゃ・・・
ウェイコ事件が起こったのちには、それに絡んでこんな凄惨なテロ事件が発生していたわけかぁ・・・
悲劇の連鎖と言うか、何と言うか・・・
結果論的な話にはなっちゃうけど、あとになってから、こんな事件が起こったとなると、ウェイコ事件においての捜査当局の対応は本当に正しかったのか・・・?
疑問が残る感じがするねぇ(汗)
そうじゃの~・・・
たしかに子ザルが感じたようなことは、このオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件が起こってしまった際には、多くのアメリカ国民も感じたようじゃ・・・
実はウェイコ事件が収束した際には、その結果に対しての捜査当局への批判の声が上がる一方で、彼らは事前にテロの脅威から国民を守ったのだとする擁護の声もあったそうじゃ・・・
しかし爆破テロ事件が起こってしまったことで・・・
「テロを未然に防げていないではないか!」
「それはおろか、オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件はウェイコ事件での捜査当局の誤った対応によって招いてしまった悲劇だ!」
とまで言われてしまい、捜査当局に対する批判の声の方が強くなっていったようじゃ・・・
いずれにしても、こうしてウェイコ事件は、そののちに起こったさらなる悲劇的なテロ事件と共に、多くのアメリカ国民の記憶に残ることになった・・・
そしてこれは少し後日談となるが、実はこのウェイコ事件が起こったのちも、ブランチ・ダビディアンと言う宗教団体は存続し続け、むしろ事件後の方が多くの信者を獲得していると言う事実があるようじゃ・・・
デビッド・コレシュが教団の指導者であった頃のブランチ・ダビディアンは、在家信者を合わせてもせいぜい数百人規模であった・・・
しかしウェイコ事件が起こったのちには、むしろ事件前よりもはるかに多くの信者を獲得し、現在は数千人規模にまで信者数を増やしているようじゃ・・・
さらには一説によると関連団体や分派・セクト、その他、彼らに対し友好的な団体まで合わせると、増加したブランチ・ダビディアン関連の信者の数は数万人規模に達しているとも言われており、ウェイコ事件で死亡したデビッド・コレシュのことはキリスト教における殉教者であると言う見方をする者も多いと言う・・・
何と言うか、これは日本を代表するカルト宗教であるオウム真理教が辿った道とは、真逆の方向に向かっていった感じじゃの~・・・
オウム真理教の場合、最盛期には15000人ほどの信者たちがいたそうじゃ・・・
しかし現在はグッと数を減らし、すべての関連団体を併せてもせいぜい2000人にも満たない数にまで信者数を減らしているようじゃ・・・
両者とも世間を騒がす大事件を起こしたことには変わりはないが・・・
こうした現象を見ると、どうやらブランチ・ダビディアンと言う宗教団体についての事件後の評価は、ATFやFBIが主張したような犯罪組織であると言う認識よりも、むしろ犠牲者であると言う見方をされることも多かったのかも知れないの~・・・
実はここからが本番と言う感じだが、そうなった理由についてが興味深く、その後の裁判記録やウェイコ事件についての議会公聴会などの様子を見ると、たしかにブランチ・ダビディアンは犠牲者であると言う見方にも一理あるような感じもしてくる・・・
ここからその辺の一体、なぜこれほどの事件を起こしたとされるブランチ・ダビディアンに対して、同情的な見方をされ、事件の加害者ではなくむしろ被害者であると見られることになったのか・・・?
さらには正義の名の下に事件解決にあたっていたはずの捜査当局側が、なぜ悪のレッテルを貼られることになってしまったのか・・・?
すでにここまでの間に少し、そうなってしまった原因について触れているが・・・
この点については、まだまだ伝えきれていない要因が残っており、当時はまさに全方向からサンドバッグ状態で捜査当局は批判されまくっていたようじゃ・・・
ここからその辺について、突っ込んで伝えていこうと思うが・・・
今回はここで一旦、切らせてもらい、それについてはまた次回、伝えていくぞい?!
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【ウェイコ事件3】終わらない悲劇の連鎖【ブランチ・ダビディアン】:次回予告!
実はその点が、ウェイコ事件の一番、興味深いところだったりするぞい?!
表面的な部分だけを見れば、このウェイコ事件と言うのは良くあるカルト宗教団体が引き起こした出来事なのだろうと思ってしまうかも知れない・・・
しかし実はこのウェイコ事件は、むしろ事件後の方がいろいろと特異な点が多い事件だったりするのじゃ!
次回はその辺について、じっくりと伝えていくぞい?!
次回も絶対、見に来てくれよな!
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